「生物多様性」専門委員会 奄美大島

生物多様性地域戦略の改定を了承した専門委員会=4日、奄美市名瀬

生物多様性地域戦略の改定を了承した専門委員会=4日、奄美市名瀬

 奄美大島生物多様性地域戦略の改定に向けた専門委員会(委員長・小野寺浩鹿児島大学客員教授、委員4人)の会合が4日、奄美市役所であり、希少な動植物の保護対策などを拡充した改定案をおおむね了承した。委員会側から提案があった住民参加型の保全・活用の強化などを求める5項目の付帯意見も踏まえて、本年度末までに改定版をまとめる方針。

 

 戦略は生物多様性の質的向上と保全・活用を通した地域活性化を目的に島内5市町村が2015年に共同で策定した。複数の自治体が共同で戦略を策定するのは全国で奄美大島だけの取り組み。

 

 計画期間は24年度までの10年間。策定から5年目を迎えて、奄美・沖縄の世界自然遺産登録に向けた動きや、格安航空会社(LCC)就航による入り込み客数の増加など、社会情勢の変化を踏まえて、重点施策や行動計画を見直した。

 

 改定案では、盗採防止に向けた監視体制の強化や、野生化した猫(ノネコ)対策の取り組みなど、重点施策に掲げた希少野生生物の保全活動や外来種対策を拡充。民間企業などで発足した世界自然遺産推進共同体と連携した情報発信などの取り組みを盛り込んだ。

 

 委員会の付帯意見は▽固有種・希少種の保護▽観光の過剰利用防止と計画的管理▽モニタリング▽保護地域を含む島全体の保全▽参加型の保全と活用、環境学習│の5項目。外来種対策などを住民の参加によって強化し、子どもや住民が自然環境の保全・利用の担い手として必要な知識や関心を持てるように、積極的な学習機会の提供を求めた。

 

 小野寺委員長は「戦略は奄美大島の将来を考える重要な柱の一つになる。特徴的な自然や文化などの地域性を生かした独自の戦略を展開してほしい」と述べた。