ウミガメ産卵巣被害が最多 捕食防止へイノシシ駆除を 保護対策検討会

ウミガメの産卵巣を掘り起こすリュウキュウイノシシ(奄美海洋生物研究会提供)

ウミガメの産卵巣を掘り起こすリュウキュウイノシシ(奄美海洋生物研究会提供)

 奄美大島5市町村の行政担当者を集めた県のウミガメ保護対策検討会が6日、奄美市名瀬公民館であった。リュウキュウイノシシによるウミガメの卵の食害状況について、奄美海洋生物研究会の興克樹会長が報告。2017年は13カ所の浜で産卵巣154件の被害が確認され、同協会が調査を始めた12年以降で最多だった。興会長は産卵巣にネットを設置する捕食防止策では「対策が不十分」として、イノシシの駆除による保護の強化を呼び掛けた。

 

 同研究会はウミガメの産卵環境保全を目的に、リュウキュウイノシシによる卵の捕食被害状況を奄美大島と加計呂麻、請、与路の各島で実施している。

 

 報告によると、17年の捕食被害は▽奄美大島9浜78件▽加計呂麻島1浜12件▽請島3浜64件―。与路島では確認されていない。浜別では請島のケラジ地区が40件と最も多く、宇検村テイチ浜23件、大和村石川海岸19件と続く。

 

 イノシシによる食害はこれまで、ウミガメの産卵回数が1029回と過去2番目に多かった13年が146件で最多だった。産卵回数の減少に伴い15年以降は100件以下にとどまっていた。17年の産卵回数は632回(前年528回)で、卵の食害は24・4%に上った。

 

 県は奄振交付金を活用して2015年度から3年間、ウミガメの卵の食害調査と防止対策の検討を進めた。調査報告では、産卵巣への防護網の設置と捕食個体の捕獲が有効として、海岸の監視体制の強化やウミガメを保護する人材の確保などを課題に挙げた。県は捕食対策についての手引きを3月末までにまとめ、ホームページで公開する。