オオトラツグミ中央林道で102羽確認

さえずりに耳を済ませる調査員=17日午前6時ごろ、奄美市名瀬の奄美中央林道

さえずりに耳を済ませる調査員=17日午前6時ごろ、奄美市名瀬の奄美中央林道

 奄美大島だけに生息する国の天然記念物の野鳥オオトラツグミの一斉調査が17日、同島を縦断する奄美中央林道などであった。同林道での確認数は102羽と、1994年の調査開始以降、最多だった2016年の106羽に次いで2番目に多かった。調査を行ったNPO法人奄美野鳥の会は「森林の回復によって増加の流れが続いている」と述べた。

 

 オオトラツグミは同島の原生的な照葉樹林内に生息。全長約30センチで、全身に黒や黄色の三日月斑、横斑がある。戦後の森林開発などで生息数が減少し、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類。93年に種の保存法に基づく国内希少種に指定された。

 

 同会は生息数を把握して保護につなげようと毎年、繁殖期の3月を中心に、行政やボランティアの協力も得て鳴き声を聞き取る調査を実施。今年で26回目。島内の主要な林道などで4月上旬にかけて補足調査を行う。

 

 一斉調査は奄美市名瀬から宇検村までの奄美中央林道約45キロと支線などで行われ、島内外から143人が参加した。2、3人一組に分かれて、夜明け前の午前5時半から1時間、往復4キロを歩いてさえずりに耳を澄ませた。「キュロロン」という澄んだ鳴き声を確認すると、方角や時間を地図に記録した。

 

 初めて参加した茨城大学1年の大谷良美さん(20)=茨城県水戸市=は「自信がなくて最初は緊張したけど、何とか聞き取れた。天然記念物を守る活動に参加できて光栄です。また参加したい」と話した。

 

 同林道の確認数は昨年の79羽を23羽上回り、2年連続で増加した。奄美野鳥の会の高美喜男副会長は「天気が良くて風もなく、調査条件は良かった。毎年上下はあるが、増えつつある大きな流れは変わらない」と評価し、「安心することなく、若い人たちに調査をつないで継続したい」と話した。

奄美大島固有のオオトラツグミ

奄美大島固有のオオトラツグミ