オオトラツグミ回復続く 中央林道で98羽確認

奄美大島だけに生息するオオトラツグミ

奄美大島だけに生息するオオトラツグミ

   奄美大島だけに生息する国の天然記念物の野鳥オオトラツグミの一斉調査が21日、島を縦断する奄美中央林道などであった。島内外から137人が参加。林道を歩いて鳴き声を聞き取り、計98羽の生息を確認した。調査を行ったNPO法人奄美野鳥の会は「天候の状況は良くなかったが、昨年と同じくらいの数を確認できた。かなり順調に回復していると思われる」としている。

 

 参加者らは2、3人が1組となり、奄美市名瀬から宇検村までの奄美中央林道と支線など計約45㌔で調査を実施。雨が降る中、夜明け前の午前5時半にそれぞれの出発地点をスタートし、約1時間で往復4㌔を歩きながらオオトラツグミのさえずりに耳を澄ませた。「キュロロン」という澄んだ鳴き声を確認すると、地図に聞こえた方角や時間を記録した。

 

 初めて参加した奄美市名瀬の積島よし子さん(62)は「真っ暗な道を歩くのは初めてできつかったけど、オオトラツグミのかわいい声が聞こえて足が軽くなった」と笑顔で話した。

 

 奄美野鳥の会はオオトラツグミの生息状況を把握して保護につなげようと、1994年から毎年、繁殖期の3月を中心に行政やボランティアの協力を得て調査を実施している。今年で28回目。奄美中央林道で行う大規模な一斉調査で、確認数が最も多かったのは2016年の106羽。今年は過去2番目に多かった昨年の102羽を4羽下回ったものの、回復傾向が続いている。

 

 同会の鳥飼久裕会長(61)は「順調に回復しているのはうれしいが、生息数が増えると全てカウントするのは難しくなり、調査は転換点に来ている」と課題を示し、「市民参加型でこれほど長く続いている調査はあまり例がない。今後も継続したいが、調査方法は考えなくてはいけない」と述べた。

 

 オオトラツグミは同島の原生的な照葉樹林内に生息。森林開発などで生息数が減少し、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類。1993年に種の保存法に基づく国内希少種に指定され、保護されている。

鳴き声を聞いて記録する調査員=21日午前6時すぎ、奄美市名瀬の奄美中央林道

鳴き声を聞いて記録する調査員=21日午前6時すぎ、奄美市名瀬の奄美中央林道