オオトラツグミ増加傾向 奄美大島で一斉調査

さえずりに耳を澄ませる調査員=18日午前6時15分ごろ、奄美市名瀬の奄美中央林道

さえずりに耳を澄ませる調査員=18日午前6時15分ごろ、奄美市名瀬の奄美中央林道

 国の天然記念物で奄美大島固有の野鳥オオトラツグミの一斉調査が18日、島を縦断する奄美中央林道などであった。島内外から157人が参加し、歩きながら鳴き声を聞き取り生息状況を確認した。奄美中央林道での確認数は昨年を25羽上回る79羽だった。調査を行ったNPO法人奄美野鳥の会は「森林の回復とマングースの駆除によって生息環境が良くなり、生息数は増加傾向が続いている」としている。

 

 オオトラツグミは同島の原生的な照葉樹林内に生息。全長約30㌢で、全身に黒色や黄色の三日月斑、横斑がある。戦後の森林開発などで生息数が減少し、絶滅の恐れがあるとして1993年に種の保存法に基づく国内希少種に指定された。同会は94年から毎年、繁殖期の3~4月に行政やボランティアの協力も得て調査を実施しており、調査は今年で25回目。

 

 一斉調査は奄美市名瀬から宇検村までの奄美中央林道約45㌔と支線などで実施。参加者は2~3人一組に分かれて午前5時半から1時間、往復4㌔を歩いてオオトラツグミの「キョロロン」というさえずりに耳を澄ませ、聞こえた場所や時間を記録した。

 

 友人と初めて参加した京都府京丹後市の公務員西上亜紀さん(27)は「鳴き声に個体差があって面白い。今度は時間を気にせずにゆっくりと来たい。訪れる側も奄美の貴重な自然が守られるように意識しながら自然観察を楽しみたい」と話した。

 

 奄美野鳥の会の鳥飼久裕会長は「昨年が少なく心配していたので、増加傾向が続いているのは間違いないと安心した」と今回の調査結果を評価し、「増えたといっても危機にあることに変わりはない。絶滅危惧種から外れるくらいに回復するまで調査は続けていきたい」と話した。

奄美大島固有の野鳥オオトラツグミ

奄美大島固有の野鳥オオトラツグミ