カクチョウラン無残 群生地が被害、故意か 宇検村山中

株が抜かれ捨てられていたカクチョウランの群生地(宇検村提供)

株が抜かれ捨てられていたカクチョウランの群生地(宇検村提供)

 宇検村の山中で5月31日、絶滅の恐れがあり、県の希少野生動植物保護条例で採取などが禁じられているカクチョウランの群生地が荒らされているのが見つかった。少なくとも6株が抜き取られ、茎や葉がちぎられた状態で周囲に放置されていた。現場付近では5月上旬に盗掘被害があったばかり。関係者は盗掘や嫌がらせ目的の可能性もあるとして「島の宝を大事に見守ってほしい」と訴えている。

 

 カクチョウランは高さ60センチから1メートル余りにもなる大型の地生ラン。屋久島・種子島以南に分布する。外側が純白、内側が赤褐色の花が華やかで美しく、近年乱獲によって激減。環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に位置付けられている。

 

 近隣住民が31日午後、荒らされている群生地を見つけ、連絡を受けた村の職員と環境省や県、瀬戸内署の担当者が被害状況を確認した。

 

 現場は5月2日に盗掘被害があった別の群生地の近く。環境省と奄美大島5市町村がパトロールを行っており、環境省が27日午前中に見回った際には異常はなかったという。

 

 パトロール員の山下弘さんは「持ち去っていないことから、葉や球根が似ていてより希少性の高いタイワンショウキランを狙っていたのではないか」と推測。「奄美の宝である島の希少種・固有種を大事にしてほしい」と訴えた。

 

 環境省奄美群島国立公園管理事務所の千葉康人世界自然遺産調整専門官は「群生地を荒らすだけで目的が分からない。イノシシの可能性もある」とした上で「人がやったのなら悪質。今後、監視カメラを設置するなど保護対策を強化したい」と述べた。

 

 環境省は山中にノネコ調査用のカメラを設置しており、映像を瀬戸内署に提供している。同署は今後、関係機関と連携してパトロールを強化するとしている。

被害状況を確認する瀬戸内署員ら(宇検村提供)

被害状況を確認する瀬戸内署員ら(宇検村提供)