ザトウクジラ講演会で帝京科学大森教授、小笠原の取り組み紹介

小笠原諸島のホエールウオッチングの取り組みについて講演した森教授=10日、奄美市名瀬

小笠原諸島のホエールウオッチングの取り組みについて講演した森教授=10日、奄美市名瀬

 講演会は環境省の「2017年度奄美群島国立公園奄美大島周辺海域における鯨類調査等業務事業」の一環で開催。島内外から30人余が来場した。講演に先立ち、同研究会の興克樹会長が奄美大島のザトウクジラの出現状況やホエールウオッチングの動向について報告した。

 森教授は大学院修了後、2009年まで小笠原ホエールウオッチング協会の事務局長・主任研究員。専門は鯨類学など。日本各地のホエールウオッチングの実態調査やガイド養成に関わる。

 講演では、1988年に国内で初めてホエールウオッチングが始まった小笠原諸島の歩みを紹介。冬季に来遊するザトウクジラに加えて、初夏から晩秋に見られるマッコウクジラの観察や、イルカを水中で観察するドルフィンスイムなど、人気を維持するための工夫を挙げ、「地域の産業として維持するには次のアイデアを出さないといけない」と述べた。

 ホエールウオッチングのツアーが過剰になることで、船との衝突や騒音、行動の阻害などクジラへの影響や、人身事故につながる恐れもあると指摘。利用と保全の両立を図るために▽ガイドの質の向上▽適正なルールの運用―を呼び掛けた。

 会場にはクジラを水中で観察するホエールスイムのツアー参加者も来場した。千葉県浦安市のダイビングインストラクター中川瑞希さん(23)は「人間よりはるかに大きい哺乳類との出合いに純粋に感動した。クジラと共存できるすてきな島であり続けてほしい」と話した。