ツルランが大量盗掘 100株超が被害か 自然保護団体「許されない行為」 徳之島

世界自然遺産候補地の徳之島や奄美大島などに自生するツルラン

世界自然遺産候補地の徳之島や奄美大島などに自生するツルラン

100株以上が盗掘された現場=6日、徳之島内の山中

100株以上が盗掘された現場=6日、徳之島内の山中

  【徳之島総局】徳之島の山中で6日までに、絶滅の恐れのあるツルランが100株以上盗掘されていることが分かった。1日には、政府が徳之島を含む奄美・沖縄4島の世界自然遺産登録に向けて国連教育科学文化機関(ユネスコ)へ推薦書を再提出したばかり。地元の自然保護団体からは「人の常識や良心が問われる出来事。許されない行為」と憤っている。

 

 ツルランは九州南部以南に分布する地生ラン。奄美群島では、世界自然遺産候補地の徳之島と奄美大島などの常緑広葉樹林内に生える。高さは40~80センチ。夏にツルを連想させる、かれんな白い花を咲かせ、「夏エビネ」とも呼ばれる。開発や園芸採取などで減少し、環境省のレッドリストで絶滅の危険が増大している絶滅危惧Ⅱ類に位置付けられている。

 

 現場は奄美群島国立公園の第2種特別地域内の群生地。パトロール中だった県希少野生動植物保護推進員の池村茂さん(62)=徳之島町母間=が4日に盗掘を確認した。現場を確認した法人NPO法人徳之島虹の会は、約20メートル四方内にスコップのような物で掘り返された跡がいくつもあり、残ったツルランの根や葉の状態から、1月ごろに盗掘されたとみている。

 

 同法人理事の美延治郷さん(62)は「盗掘を二度と発生させないようにパトロール強化や啓発に努め、関係機関に林道の利用制限も働き掛けたい」と話した。同法人は今後、周辺に設置された自動撮影カメラの映像を確認し、盗掘者の特定を進めるという。

 環境省徳之島自然保護官事務所の沢登良馬自然保護官は「林道入り口の施錠や看板設置など、普及啓発の機会を増やして島内外の人の自然保護意識を高め、盗掘の未然防止につなげたい」と話した。