ノネコ管理計画、行程表公表 奄美大島

ロードマップで設定した重点地区の数値目標(環境省ホームページより)

ロードマップで設定した重点地区の数値目標(環境省ホームページより)

 環境省は19日までに、奄美大島で捕獲を進める野生化した猫(ノネコ)に関する管理計画の行程を示すロードマップを発表した。2021年度から捕獲エリアを島全域に広げ、計画の最終年度となる27年度に生息数の低密度化を目指す。ノネコの元になる野良猫や放し飼いの猫を増やさないために、マイクロチップの装着や不妊手術、室内飼いの数値目標を定めた。

 

 ノネコの管理計画は、希少な野生生物を襲うノネコを山から排除して生態系を保全するために、環境省と県、奄美大島5市町村が18年3月に策定。同年7月から捕獲を開始した。今年9月末現在、希少種が生息する島南西部の森林約100平方㌔にわな450基を設置し、作業員8人体制で捕獲を進めている。捕獲総数は179匹。

 

 ロードマップは、ノネコの捕獲と、ノネコの元になる野良猫、飼い猫の対策について、それぞれ具体的な手順やスケジュールを示した。

 

 ノネコの捕獲は21年度から作業の範囲を島全域に広げ、特に希少種が多く生息する奄美群島国立公園の特別保護地区、第1種特別地域から順次エリアを拡大していく。自動撮影カメラを設置し、ノネコの個体数の推移や在来種の生息状況をモニタリングする。捕獲した猫は島内外への譲渡の取り組みを推進する。

 

 野良猫、飼い猫対策については、飼い猫の適正飼養を徹底して野良猫を減らし、27年度に集落、市街地から新たなノネコ、野良猫が発生しないことを目標に掲げた。

 

 島全域の集落で3段階の重点地区を設定し▽飼い猫のマイクロチップ装着率▽外飼い猫の不妊去勢率▽完全室内飼い▽野良猫のTNR(不妊去勢)率│の4項目について27年度までの数値目標を定めた。希少種が生息する森林に近い地域から対策を進める。

 

 奄美市名瀬、笠利町、瀬戸内町古仁屋の市街地でモデル地区を設定し、民間団体や町内会などが主体となって地域の野良猫や放し飼いの猫の状況を把握する調査を行い、適正飼養の普及啓発を図る。

 

 奄美群島国立公園管理事務所は「多くの固有種や絶滅危惧種が生息する奄美大島の森林で、ノネコの繁殖や貴重な在来生物の捕殺が確認されており、早急な対策が必要。飼い猫を適正に飼育することで、ノネコの発生原因となる野良猫の増加を抑えることができる」として、地域住民に協力を呼び掛けた。