ポーランドの国際学術誌に共著論文 浜田さんら、クロウサギの繁殖行動

アマミノクロウサギの繁殖行動について記述した論文の内容を解説する浜田太さん(手前)と水田拓さん=22日、奄美市名瀬

アマミノクロウサギの繁殖行動について記述した論文の内容を解説する浜田太さん(手前)と水田拓さん=22日、奄美市名瀬

 奄美市の写真家・浜田太さん(66)と山階鳥類研究所(千葉県)の保全研究室長・水田拓さん(50)が22日、同市名瀬のAiAiひろばで会見し、アマミノクロウサギの繁殖行動について記した共著論文が、国際学術誌「Mammal Research」の電子版に掲載されたと発表した。浜田さんは「永久的に貴重さが残ることになり、奄美全体、地球全体の財産になった」と語った。

 

 哺乳類研究を発表しているポーランドの学術誌。論文は13日に電子版に掲載され、今後、紙媒体としても発行されるという。

 

 国の特別天然記念物アマミノクロウサギの生態などを35年にわたって撮影、研究してきた浜田さんの観察記録を基に、2017年当時、環境省野生生物保護センター(大和村)に勤務していた水田さんが国際論文として仕上げた。

 

 論文には▽子育てを巣穴の中で行う▽親は2日に1回授乳に来る│などアマミノクロウサギの生態について記載。メインとして、2015年と17年に出産前の巣作りから子の巣立ちまでの完全な観察に成功した浜田さんの記録を詳細に記した。

 

 浜田さんによると、アマミノクロウサギは極端に産仔数が少なく、1年のうちの繁殖回数も少ないことから、ウサギ目の中で繁殖力が最も低い種の一つであることが明らかとなった。

 

 論文では「このユニークな繁殖特性は、気候が比較的安定しており捕食性の哺乳類がいない亜熱帯島しょで進化した結果であると考えられる」と結論付けた。

 

 水田さんは論文掲載を振り返り、「170万年の間、島に適応して進化してきた生き物が人間の活動によって数が減ってしまうのは非常に大きな問題。マングースやネコ問題など、責任を持って解決すべき。対応を頑張っていかなければ」と語った。

 

 水田さんは新型コロナウイルス感染拡大の影響で来島せず、リモートで会見に参加した。

アマミノクロウサギの親子(浜田太さん撮影)

アマミノクロウサギの親子(浜田太さん撮影)