マングース、25年度末までに根絶 捕獲ゼロ続く奄美大島、最速23年度にも

新たな防除実施計画について協議した検討会=15日、奄美市名瀬

新たな防除実施計画について協議した検討会=15日、奄美市名瀬

 奄美大島のマングース防除事業検討会(座長・石井信夫東京女子大学名誉教授)が15日、奄美市名瀬の奄美文化センターであった。環境省は約3年にわたってマングースの捕獲はなく、「島全域で根絶の可能性が高くなっている」と報告。2021年度から5年間の新たな防除実施計画を了承した。過去の捕獲実績やモニタリング調査のデータに基づく根絶確認の手法を確立し、25年度末までの「根絶宣言」を目指す。

 

 検討会には島外の委員らオンラインによる参加も含め関係者約50人が出席した。20年度の事業報告(12月末現在)によると、マングースの捕獲は18年4月に1匹がわなに掛かって以降、ゼロの状態が続いている。探索犬による探索作業や、島内全域の422地点に設置した自動撮影カメラによるモニタリング調査でも痕跡は確認されなかった。

 

 22年度に奄美大島からの完全排除を目標に掲げた現行の第2期防除実施計画(13年度から10年間)は、新計画への移行に伴い、2年間前倒して20年度で終了する。第2期計画の総括では、当初は島中央部に帯状に広がっていたマングースの生息範囲が、捕獲を進めて生息が確認されない状況に至ったと評価し、アマミノクロウサギなど在来生物の分布状況にも回復がみられるなど防除事業の成果を示した。

 

 新計画は、マングースの根絶を確認し、防除事業を完了することを目的に策定した。島全域で捕獲用のわなや探索犬、自動撮影カメラを使ったモニタリング調査を継続してデータを収集し、これまでの捕獲実績などの情報と合わせて、マングースが根絶したかどうかを科学的に評価する手法を22年度に構築する。早ければ23年度にも「根絶宣言」を行う。

 

 石井座長は「これだけ大きな島でマングースの根絶が達成できれば、世界初の事例になる。慎重に進めてもらいたい」と要望した。

 

 奄美群島国立公園管理事務所の阿部愼太郎所長は「3年間捕獲がない状態が続いている。根絶にまた一歩近づいた」と手応えを示し、目標達成に向けて「根絶したと判断するためのデータを蓄積していく。モニタリング情報を踏まえて、科学的にきちんと評価していきたい」と述べた。

 

 奄美大島のマングース 1979年、ハブやネズミの駆除を目的に奄美市名瀬で約30匹が放され、急速に分布域を拡大。アマミノクロウサギなどの在来生物を捕食して生態系に深刻な影響を及ぼした。環境省は00年度に駆除に着手。05年度から捕獲を担うマングースバスターズを配置して防除事業を進めた。

 

 捕獲数は01年度まで3千匹以上だったが、事業の進捗(しんちょく)に伴って次第に減少し、14年度以降は100匹以下で推移。ピーク時に1万匹まで増えた推定生息数は18年度末で10匹以下まで減った。