与論町が上陸、産卵とも奄美最多 20年度ウミガメ調査

奄美大島に上陸し産卵するウミガメ(興克樹さん提供)

奄美大島に上陸し産卵するウミガメ(興克樹さん提供)

 【鹿児島総局】県は2日、県内での2020年度のウミガメ上陸・産卵調査結果を発表した。県全体の上陸回数は3640回(前年度比1479回増)、産卵回数は1981回(同735回増)で、上陸、産卵とも3年ぶりに増加に転じた。奄美群島12市町村は上陸1696回(同708回増)、産卵1137回(同466回増)となり、4年ぶりに増加した。

 

 調査対象は海岸がある39市町村。20年度はこのうち32市町村で4~9月に保護監視員らが調査を実施した。その結果、上陸回数は20市町村、産卵回数は17市町村でそれぞれ前年度を上回った。

 

 上陸回数が最も多かったのは屋久島町の916回(前年度184回)で、産卵回数は与論町の419回(同160回)が最多だった。

 

 奄美群島の状況を市町村別にみると、産卵回数が県内最多だった与論町が上陸回数も633回(前年度309回)で最多。上陸、産卵とも8市町村で前年比増となり、与論町に次いで上陸回数は▽奄美市255回▽瀬戸内町237回▽和泊町210回│の順に多く、産卵回数は▽瀬戸内町201回▽奄美市176回▽和泊町129回│の順だった。

 

 県内最多だった屋久島町の上陸回数は前年度の約5倍、与論町の産卵回数は約2・6倍。県内の上陸、産卵回数ともに前年を大きく上回り3年ぶりに増加したことについて、奄美海洋生物研究会の興克樹会長は「ウミガメの上陸、産卵には周期があり、長期的に状況を見守る必要がある」と説明した。

 

 一方、アカウミガメについては近年、上陸、産卵数の少ない状況が続いており「生息数そのものが減少している恐れもある。鹿児島県でのアカウミガメ産卵は国内の7割を占めており、上陸、産卵環境の保全や地道な調査によるデータ収集が必要だ」と訴えた。