世界遺産管理拠点、来夏開館へ 奄美大島、自然価値触れる施設に

世界遺産管理拠点施設の完成予想図(環境省提供)

世界遺産管理拠点施設の完成予想図(環境省提供)

 環境省は30日までに、今年夏の奄美・沖縄の世界自然遺産登録を目指し、奄美大島に整備する「世界遺産管理拠点施設」(仮称)の基本設計をまとめた。「『生命のにぎわい』に包まれる│奄美大島フィールド探索型ミュージアム」をコンセプトに、貴重な自然環境と生息する多様な動植物の価値や魅力を紹介し、環境保全を啓発しながら観光利用の促進を図る。2022年8月のオープンを目指す。

 

 世界遺産管理拠点施設は、遺産の価値を理解してもらうための総合拠点として整備する。団体ツアーなどの観光客を受け入れ、自然体験ができるフィールドの案内や生き物の観察ルールの紹介を行うほか、関係機関と連携して希少種の保護に取り組み、環境保全と適正な観光利用を管理する役割を担う。

 

 施設は奄美市住用町の「黒潮の森マングローブパーク」に併設。パーク北側に隣接する市有地を借り上げ、木造平屋建ての本館(約582平方メートル)と倉庫(約28平方メートル)を整備する。本館には展示室、エントランスホール、物産の販売店舗などを配置する。総事業費は約7億5000万円。21年7月ごろの着工を予定している。

 

 展示室(約318平方メートル)は照葉樹の森を再現したジオラマに、アマミノクロウサギなど希少な動植物の模型や剥製を設置し、生き物の観察を体験しながら、生態などに理解を深めることができる装置を備える。

 

 幅約10メートル、高さ約5メートルの壁面いっぱいに自然の映像を流し、日夜で移り変わる森の魅力を体感する演出を施す。フィールドを探索して、「生命のにぎわい」に触れる疑似体験ができるように工夫を凝らした。

 

 運営は環境省と地元自治体を中心に設立する協議会が担う。物産の販売店舗は21年12月ごろに事業者の公募を開始する。

 

 マングローブパークで30日、住民説明会があり、環境省の職員が施設の概要や今後のスケジュールなどについて説明した。

 

 奄美群島国立公園管理事務所の二神紀彦国立公園保護管理企画官は「疑似体験を通して世界遺産の価値を知ってもらい、奄美の自然の豊かさに触れるために『また来たい』と思ってもらえるような施設にしたい」と話した。

 

マングローブパークに隣接する建設予定地=30日、奄美市住用町

マングローブパークに隣接する建設予定地=30日、奄美市住用町