大和村で世界遺産推進シンポジウム

「持続可能な観光」について話し合ったシンポジウム=23日、大和村防災センター

「持続可能な観光」について話し合ったシンポジウム=23日、大和村防災センター

 奄美世界自然遺産推進シンポジウム(県大島支庁主催)が23日、大和村防災センターであった。屋久島環境文化財団理事長の小野寺浩氏と環境省自然環境局長の鳥居敏男氏が公開対談を行い、地元関係者を交えたパネルディスカッションでは、来年夏の奄美・沖縄の世界自然遺産登録を見据えた「持続可能な観光」の在り方を探った。鳥居氏は「奄美ならではの自然との付き合い方を世界に発信してほしい」と呼び掛けた。

 

 公開対談で鳥居氏は奄美・沖縄への登録延期勧告から今年2月の再推薦に至る経緯を説明。奄美側の登録に向けた課題として▽観光客の増加に伴う環境負荷を軽減する利用の管理▽野生化した猫(ノネコ)などの外来種対策▽希少種の密猟対策―の3点を示した。

 

 過剰利用が懸念されるアマミノクロウサギなどを観察するナイトツアーについて、「体験人数を絞って、何らかの『見せる手段』を考える必要がある。それによって核心地域が保全される」と助言。

 

 小野寺氏は奄美群島の観光について、自然遺産候補地の奄美大島、徳之島以外にも登録の効果が波及するように、「国立公園は群島全体。奄美大島がリーダーとして全体の底上げを考えていくべき」と提案した。

 

 パネルディスカッションは松本俊一県大島支庁長をコーディネーターに、地元の勝山浩平氏(大和村議会議長)、中村修氏(NPO法人TAMASU代表)、越間得晴氏(奄美大島観光協会会長)を交えて意見交換した。

 

 勝山氏は集落の青壮年団の活動について、越間氏は観光PRなどの取り組みをそれぞれ紹介。中村氏は同村国直集落を拠点に展開する体験型観光の取り組みと、住民の暮らしとの両立を図る集落のローカルルールの導入について紹介。「観光効果を村全体に広げたい」と述べた。

 

 会場からナイトツアーの過剰利用について、「保全、活用エリアを分けて、許可制にすべき。具体的に議論する場を設けて、世界遺産になる前に規制したほうがいい」との意見が上がった。

 

 シンポジウムは2019年度、奄美・沖縄の世界自然遺産登録に向けた地域の機運醸成を目的に開催。全4回の3回目。来年2月に「屋久島・沖縄との連携」をテーマに瀬戸内町で最終回がある。