瀬戸内町で小笠原に学ぶ自然遺産講演会

小笠原諸島の世界自然遺産登録に向けた取り組みを学んだ講演会=21日、瀬戸内町立図書館・郷土館ホール

小笠原諸島の世界自然遺産登録に向けた取り組みを学んだ講演会=21日、瀬戸内町立図書館・郷土館ホール

 2011年に世界自然遺産に登録された小笠原諸島に学ぶ「世界自然遺産講演会」(公益財団法人日本自然保護協会主催)は21日、瀬戸内町立図書館・郷土館ホールであった。小笠原自然観察指導員連絡会会長の深澤丞さんから環境保全、観光との両立など世界自然遺産登録に向けた島民主体の取り組みを学び、奄美の課題について意見交換。「互いに課題を共有し、解決を」と小笠原と奄美のさらなる連携、交流を確認した。町内外から約50人が参加し、熱心に耳を傾けた。

 

 講演は深澤さんと同協会自然保護室長の辻村千尋さんによる対話形式で行われ、遺産登録に至るまで小笠原諸島が抱えていた自然資源のオーバーユース(使いすぎ)、外来種侵入などさまざまな問題への取り組み事例を紹介した。

 

 父島東平では固有種アカガシラカラスバトのサンクチュアリ(保護区域)を設定し、ツアー客の入林システムを構築。ノネコ対策などを進め、同種の個体数回復に成功している。深澤さんは「周りを大きく巻き込んで解決することが大事」と多職種多機関の連携を重点に挙げた。

 

 質疑応答では、遺産登録に向けた住民意識の醸成や住民と行政の連携方法などについて質問があった。奄美のクルーズ船寄港地開発、護岸整備、自衛隊基地整備による世界自然遺産登録への影響について日本自然保護協会の見解を求める意見があり、同協会自然保護部主任の安部真理子さんは「IUCN(国際自然保護連合)や登録後も環境を見ていくことになる科学委員会には、地元住民として懸念があるということを情報提供していただきたい。伝えることが大切」などと答えた。

 

 同テーマの講演会は23日に奄美市名瀬のAiAiひろばでも予定している。