環境省、希少種保護増殖計画を改定

ナイトツアーの影響が懸念されるアマミノクロウサギ=奄美大島

ナイトツアーの影響が懸念されるアマミノクロウサギ=奄美大島

 環境省は5日までに、アマミノクロウサギなど奄美の希少種3種について、2014年度に策定した10カ年の保護増殖事業実施計画を改定した。奄美大島と徳之島でナイトツアーによる生息環境への影響や交通事故の増加が懸念されるクロウサギについて、夜間の利用規制の導入などの取り組みを追加し、保護対策の強化を図った。

 

 同省は種の保存法に基づいて2000年度から、奄美で国内希少種に指定されたアマミノクロウサギとアマミヤマシギ、オオトラツグミの保護増殖事業を進めている。実施計画は両島の世界自然遺産登録を見据えて策定した。

 

 計画では保護の取り組みを進めて24年3月までに、同省のレッドリストでクロウサギは現在の絶滅危惧ⅠB類から同Ⅱ類以下へ、他の2種は絶滅危惧種から外れるなど、分類カテゴリーの危険度の引き下げを目標に掲げている。

 

 改定では計画期間の折り返しに当たる18年度までの進捗(しんちょく)状況や活動内容の評価結果を踏まえて、3種の生息地の保全に向けた取り組みを追加し、生息状況を把握するモニタリング手法の見直しなどを盛り込んだ。

 

 クロウサギについては、両島でマングースの防除や野生化した猫(ノネコ)の捕獲など保護対策が進んだことで、生息状況に回復がみられると評価。保護上の課題にナイトツアーの影響の把握や交通事故防止対策を追加した。

 

 目標達成に向けた取り組みとして、ナイトツアーの影響の緩和に向けて、徳之島町の林道山クビリ線で19年度に利用規制が始まったほか、奄美市住用町の三太郎峠で19年度以降、関係機関と連携して利用状況の実態を把握し、観察ルールを検討する方針を盛り込んだ。

 

 同省奄美群島国立公園管理事務所の早瀬穂奈実国立公園管理官は「計画に基づいて外来種対策や生息地の保全を着実に進めることで、3種が安定的に存続できる状態を目指したい」と述べた。