英・フィリップ殿下死去 奄美からも悼む声

湯湾岳を視察するフィリップ殿下(左、本紙1984年10月17日付掲載)

湯湾岳を視察するフィリップ殿下(左、本紙1984年10月17日付掲載)

  「一言で言うとスペクタクル(壮観)。島の固有生物が生き続けられるよう地域を守り抜くことが重要である」―。9日亡くなった英国エリザベス女王の夫フィリップ殿下が奄美大島を訪れ、視察後の記者会見で奄美の印象や自然保護について語った言葉で、1984年10月16日付の本紙に紹介されている。世界自然遺産登録を目指す島への”金言”を残した殿下の逝去に、当時を知る奄美大島の関係者からも、惜しむ声が聞かれた。

 

 フィリップ殿下は同年10月14~16日、当時の世界野生生物基金(WWF、後に世界自然保護基金と改称)の総裁として、奄美大島を訪問。マングローブや金作原原生林、湯湾岳などを巡った。

 

 視察後の記者会見では奄美の自然を評価する一方、「保護されている所が少なく、奄美の自然が伐採、狩猟などの対象に利用されている」と指摘し、奄美の自然保護に一石を投じた。

 

 当時、住用村役場職員として、同村のマングローブ群生地をボートで約30~40分間かけて案内した山下茂一さん(73)=住用町市=は「ルリカケスを見つけて感動していた姿が印象深い。ボートを下りる際、案内しただけの私にも『サンキューベリーマッチ』と声を掛けていただき、英国紳士の礼儀正しい人だと感じた」と懐かしんだ。

 

 また奄美の自然保護に対する殿下の思いにも触れ「殿下の約40年の指摘は、今思い返すと世界自然遺産登録を目指す私たちへ自然保護に対する”宿題”だったと思う。先見の明があり、自然保護に対する思いの強い人だった」としのんだ。