古木「ナーノの桜」見頃 龍郷町の秘境、豪農屋敷跡

「ナーノの桜」と呼ばれるヒカンザクラの古木が見頃を迎えている龍郷町の山中=1日

「ナーノの桜」と呼ばれるヒカンザクラの古木が見頃を迎えている龍郷町の山中=1日

 龍郷町の山中で、「ナーノの桜」と呼ばれるヒカンザクラの古木が見頃を迎えている。一帯は18~19世紀の豪農が治めていた集落跡地で、「奄美で一番古い桜がある場所」と言われる知る人ぞ知る秘境。今年も枝いっぱいに花を咲かせ、訪れた人へ地域の歴史を伝えている。

 

 町の資料によると、ナーノは「中野」の意味で、嘉渡川の上流にある地域。後に同町秋名に移転した豪農・麻フクインシュの屋敷があったとされている。桜は麻家の庭木の一つだったらしい。

 

 桜は幹周り約3・2メートル。花が咲いている幹は根の近くから出た芽が成長したもので、木としては2代目に当たる。1日は町文化財保護審議会の窪田圭喜会長(80)の案内で、町教育委員会の松村智行学芸員や町民ら11人が桜の観察に訪れた。

 

 山頂付近から谷間のナーノまでは片道1時間ほどで、急な斜面を下ったり川を渡ったりと少々険しい道のり。目的地では満開の桜が来訪者を出迎え、癒やしていた。窪田会長は「道を整備し、保全と共に観光地としての活用につなげたい」と期待した。