国立公園内に違法トラップ 奄美大島

 条例で採取などが禁止されているアマミシカクワガタ(標本写真・環境省提供)

条例で採取などが禁止されているアマミシカクワガタ(標本写真・環境省提供)

 奄美群島国立公園に指定されている奄美大島の山中でこの夏、昆虫を集めて殺す「捕殺型」トラップが複数見つかっていたことが分かった。環境省によると、現場は自然公園法で全ての動植物の採取が禁止されている特別保護地区。標本目的とみられ、採取が禁止されている希少種アマミシカクワガタを含む約100匹が死んでいた。同省奄美群島国立公園管理事務所は奄美署へ捜査を依頼するとともに、「関係機関と監視強化を図る」としている。

 

 トラップは7月上旬、特別保護地区内で10個見つかった。木の枝などにくくりつけて小型ライトで虫を集め、下部の容器に落とす仕組みで、容器には虫を弱らせる何らかの薬品が入っていたらしい。住民が発見して同事務所へ連絡した。

 

 アマミシカクワガタは日本に生息する唯一のシカクワガタで、奄美大島と徳之島の固有種。2島8市町村は条例で採取を禁止しており、違反した場合1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。

 

 同事務所によると、奄美大島ではトラップの設置や不審者の目撃情報が相次いでおり、環境省は5市町村でつくる自然保護協議会と共にパトロールを強化している。今回は無許可での工作物設置を禁止している近隣の第1、2種特別地域内でも同様のトラップが計7個発見されたという。

 

 千葉康人世界自然遺産調整専門官は「住民の方も環境保全への意識を高めてもらい、一体となってより一層目を光らせていきたい」と述べた。今後は禁止事項を記した看板の設置やチラシの配布などで意識啓発の機会を増やすという。

 

 奄美群島の国立公園指定区域や希少動植物の情報は、環境省公式サイトの奄美群島国立公園ニュース&トピックス内「国立公園の決まりと希少種保護についてお知らせとお願い」などで見ることができる。