奄美の上陸数、前年度下回る ウミガメ保護対策連絡協 イノシシ食害防止で効果報告

9  【鹿児島総局】2019年度ウミガメ保護対策連絡協議会(事務局・県自然保護課)が9日、鹿児島市の青少年会館であり、18年度の県内での上陸回数が報告された。県内32市町村の上陸確認回数は2731回、産卵確認回数は1718回で、いずれも04年度以降の過去15年間では最少。前年度比で上陸2448回、産卵1377回減少した。奄美大島でのイノシシによる卵の食害について、県環境技術協会の担当者が金網を用いた産卵巣保護策の効果を報告した。

 

 県内の上陸回数の月別内訳は6月が1141回で最も多く、次いで7月の972回、5月の461回、8~9月の153回、4月の4回。市町村別では屋久島町の476回が最多だった。

 

 奄美群島の上陸回数は12市町村合計で1084回、産卵回数は714回。上陸回数が最も多かったのは与論町の377回(前年度435回)で、県内では屋久島町に次いで2番目に多かった。

 

 他の市町村は、奄美市182回(同394回)、瀬戸内町144回(同200回)、和泊町133回(同200回)、龍郷町86回(同120回)、大和村48回(同170回)、徳之島町42回(同51回)、知名町37回(同78回)、伊仙町19回(同42回)、宇検村11回(同44回)、天城町4回(同5回)、喜界町1回(同5回)。全市町村で前年度を下回った。

 

 卵の食害防止対策については、同協会が15~17年度に奄美大島で検証した。17年度に瀬戸内町の請島で行った検証結果を紹介し、21カ所の産卵巣のうちワイヤーメッシュとトリカルネットと呼ばれる金網を用いた14カ所で被害防止を確認したと報告。網での被覆は、7カ所のうち2カ所でイノシシが網を剥がしたり動かしたりして捕食していたという。

 

 同協会の担当者は3年間の調査経過も踏まえ、資材を用いた産卵巣の被覆が有効と説明。一方で、イノシシや別のウミガメが資材を動かした例もあったとして、資材が動かない工夫やウミガメの上陸数が多い海岸での定期的な見回り、上陸する砂浜の監視体制構築を課題に挙げた。

 

 会議には県や市町村の担当者など約30人が出席し、地元の状況などを報告。本年度も海岸地区の清掃活動や保護に向けた各種啓発活動を展開する。奄美群島では本年度、知名町で4月15日、与論町で今月6日に初上陸が確認されたという。

 

 ウミガメの上陸確認数の変動の大きさについて、県自然保護課の羽井佐幸宏課長は「要因ははっきりしない」としながらも、継続的な状況確認が行われていることを評価。保護対策継続の重要性も重ねて強調した。