奄美の希少種、密猟・密輸対策へ連絡会議

奄美群島内の希少動植物密猟・密輸防止に向けた対策連絡会議の初会合=27日、鹿児島市

奄美群島内の希少動植物密猟・密輸防止に向けた対策連絡会議の初会合=27日、鹿児島市

  奄美群島の希少野生動植物の違法採集や持ち出し防止に向けた「密猟・密輸対策連絡会議」が発足し、27日、鹿児島市で初会合があった。会議を構成する環境省や県、県警、第10管区海上保安本部、奄美空港ターミナルビルなど14機関団体から約30人が出席。関係法令で採集が規制されている希少種の密猟防止や地域外への持ち出し事案の摘発に向け、情報収集や対策、監視・連絡体制を強化していくことなどを確認した。

 

 会議は、昨年末に国指定天然記念物のリュウキュウヤマガメ60匹が沖縄から国外に持ち出されたことなどを背景に、希少種が多く生息する沖縄、奄美の両地区で設立。2020年夏の奄美・沖縄の世界自然遺産登録に向け、実効性のある希少種保護策を進める。事務局は同省那覇自然環境事務所。沖縄では1月21日に初会合を開いた。

 

 鹿児島市での会議は一部を除き非公開。終了後の取材に対し同省は、違法採取や持ち出しに関する情報を共有して対策案などを協議したと説明した。

 

 具体的には、希少種だと知らなかったとして採集したり持ち出すケースや、同定(確認)が困難な希少種への対応として、写真などで希少種の特徴を分かりやすく示した識別マニュアルを作成し関係機関で共有していく。同定の迅速化へ、スマートフォンのアプリによる同定システムづくりにも取り組むという。

 

 密猟や持ち出しに対する監視体制や、警察や税関など通報窓口の連携も強化していくことを確認した。チラシやポスターを活用した普及啓発活動も進める方針だ。

 

 同省那覇自然環境事務所の東岡礼治所長は「国際自然保護連合(IUCN)も、奄美と沖縄の世界自然遺産登録を目指す上で、希少種の採集・持ち出し対策の強化を求めている」と述べ、監視強化や違反者摘発による希少種保護の重要性を強調した。

 

 連絡会議は今後、年に1回程度開き、現場レベルでの密猟・密輸対策に関する会議は適宜、開催する。沖縄の連絡会議との連携も図る。