沖永良部島で迷チョウ採集 和泊町の大山さん

2019年07月21日

沖永良部島で採集された迷チョウのミナミコモンマダラ

沖永良部島で採集された迷チョウのミナミコモンマダラ

 和泊町和泊の大山清照さん(68)がこのほど、奄美群島には生息していないとされる迷チョウ、ミナミコモンマダラ=マダラチョウ科=を和泊町内のモクマオウ林で採集した。沖永良部島で学生時代から50年以上、チョウを採集している大山さんも「見つけたのはおよそ15年ぶり。久しぶりにチョウ探しに出掛け、迷チョウに出くわすとは」と驚いていた。

 

 ミナミコモンマダラはフィリピン方面からの迷チョウとされ、国内では沖縄県八重山などで、まれに見つかる。奄美群島などでの確認例もあるが、極めて珍しい。リュウキュウアサギマダラとよく似ているものの、羽の紋様の一部がわずかに異なり、後ろ羽全体が同色などの特徴がある。

 

 大山さんが採集したのは梅雨の合間に青空が広がった6月17日。娘の早苗さん(41)と共にチョウを探しに出掛け、同町内の海岸沿いのモクマオウ林で、センダングサの周りを飛び回る個体を発見したという。

 

 「奄美の蝶図鑑」(久保邦照氏著)によると、奄美では1984年6月、沖永良部島でミナミコモンマダラの採集記録がある。この時に採集した奄美昆虫同好会会長の富川賢一郎さん(69)は「私が見つけたのは知名町の大山だったが、後にも先にもその1度だけ。今回も6月なので梅雨前線などの風に乗って飛来したのかな」と推察した。