犬捕獲数、実質県内ワースト 徳之島

保健所で捕獲、保護され譲渡を待つ犬(資料写真)

保健所で捕獲、保護され譲渡を待つ犬(資料写真)

 9月26日に徳之島町母間地区の中山間地の農道やほ場で、犬による食害とみられる国の特別天然記念物アマミノクロウサギ4匹の死骸が最初に発見されてから10日が経過した。同28日には死因不明の1匹を含む4匹の死骸も確認され、同地区ではわずか3日間で8匹のクロウサギが滅失した。背景には犬の適正飼養に対する犬の飼い主の意識の低さが浮かび上がる。

(徳之島総局・且慎也)

 

 26日の被害確認を受け、徳之島虹の会はクロウサギの死骸発見箇所を中心に自動撮影カメラを増設した。28日の被害発見時にカメラ画像を確認すると、2カ所のカメラで27日夜に徘徊(はいかい)する犬の姿が写っていた。筆者も現場で映像を見たが、体高30~40㌢の中型犬ほどの大きさで程よい肉付きがあり、一般家庭で飼養されている犬という印象だった。

 

 相次ぐクロウサギの被害を受け、徳之島保健所や町側は28日、母間地区へ被害報告と飼い犬の係留徹底を要請する集落放送を始めた。並行して捕獲わなや自動撮影カメラを増設し、パトロールを強化した取り組みも奏功し、今月4日現在、新たな被害報告はない。

 

 県生活衛生課や鹿児島市によると、2018年度の県内14保健所の犬捕獲数は鹿児島保健所が最多の163匹。徳之島保健所は155匹でワースト2位だった。

 

 18年度の捕獲数と毎月各市町村が発表する推計人口を基に、各保健所の人口10万人当たりの捕獲数を算出すると、徳之島保健所は390匹と2位以下を大きく引き離してワースト。徳之島3町での試算では、10万人当たりの数値が563匹まで上がった。

 

 徳之島保健所は捕獲数抑制の対策として、リーフレットの配布や自治体と連携して防災行政無線で適正飼養を呼び掛けるなどの取り組みを展開してきた。その効果もあってか、島内での過去3カ年度の捕獲数は16年度217匹、17年度180匹、18年度126匹と減少傾向にある。

 

 だが、徳之島保健所は「管内では犬の係留を義務付けた動物愛護や愛護に関する県条例に違反する放し飼いの現状がある」と指摘し、放し飼いのリスクとして▽咬傷(こうしょう)や鳴き声による人への影響▽動物の食害―などを挙げている。

 

 今回の犬によるとみられるクロウサギ食害について、徳之島虹の会の美延睦美事務局長は「起こってしまったことはどうしようもない。今後同様のケースが発生しないよう、飼い主がペットを適正飼養していく環境づくりが大事だ」と強調する。

 

 徳之島保健所の松岡洋一郎所長は「犬は条例で係留が義務付けられ、自治体への登録や毎年1回は狂犬病の予防注射を接種する必要がある動物。飼い主は飼養ルールを守るとともに、万が一犬がいなくなったりしたらすぐに保健所に連絡を」と述べた。