猫がケナガネズミ捕食

ケナガネズミをくわえた猫=19日午前4時37分ごろ、天城町当部(天城町役場提供)

ケナガネズミをくわえた猫=19日午前4時37分ごろ、天城町当部(天城町役場提供)

 天城町は21日、徳之島の山中で、国の天然記念物で種の保存法で国内希少野生動植物に指定されているケナガネズミを猫が捕食している場面を撮影したと発表した。町が定点観測で設置した自動撮影カメラが捉えた。同島では1月にも、猫に捕食されたとみられるケナガネズミ2匹の死骸が見つかっているほか、野生化した猫(ノネコ)の捕獲数が増加していることなどから、環境省自然保護官事務所は地元行政などと連携して野生化したノネコ対策を強化する考えだ。

 

 ケナガネズミを捕食する猫が撮影されたのは19日午前4時37分ごろ、天城町当部のアマミノクロウサギ観察小屋から約70㍍離れた南部ダム周辺。現地では昨年12月下旬にカメラが初めて猫の姿を捉えて以降、散発的に猫の往来が確認されていた。周辺にケナガネズミの死骸はなく、町は環境省と連携して撮影地点周辺にわなを設置し、猫の捕獲を試みている。

 

 島内では2017年1月、猫がクロウサギを捕食する姿を環境省の自動撮影カメラが記録しており、猫による希少動物捕食現場の撮影は2例目。

 

 希少な生き物の生息地と集落が近い徳之島ではノネコ対策を喫緊の課題と位置付け、関係機関が連携して対策を進めている。

 

 島内3町は14年度、猫の登録などを義務付けた「飼い猫の適正飼養条例」を施行。並行して同年度から、公益財団法人どうぶつ基金(兵庫県)との共同事業や国の地方創生加速化交付金事業で、猫の繁殖対策を講じてきた。

 

 環境省は14年12月、徳之島の山中でノネコの捕獲作業に着手した。徳之島自然保護官事務所によると、捕獲数は近年減少傾向にあったが、本年度は1月末時点で82匹で、過去最多の15年度(87匹)に迫っている。集落での目撃情報も増えてきたという。

 

 町企画課は「猫は不適切な飼育、遺棄で野生動物を捕食するようになる。猫のため、野生動物のため、最後まで責任を持って飼育してほしい」と訴えた。今後は観察小屋周辺へのわな増設、カメラの映像確認の強化などに努めるとしている。

 

 沢登良馬自然保護官は「現地は希少動物が多く確認される場所で猫による捕食が撮影されたのは残念。ノネコ対策に本腰を入れて対策に取り組まなければならない」と述べ、ノネコの増加防止で地元自治体と連携して猫適正飼養などの普及啓発にも注力する考えを示した。