化学的防除、再試験へ 奄美大島のマングース

マングースの化学的防除試験など事業計画について協議した検討会=24日、奄美市名瀬

マングースの化学的防除試験など事業計画について協議した検討会=24日、奄美市名瀬

 奄美大島のマングース防除事業検討会(座長・石井信夫東京女子大学教授、委員5人)の会合が24日、奄美市名瀬であった。マングースの残存個体数が減少する中、捕獲に代わる新手法として2017年度に実施した薬剤を使った化学的防除試験について報告があり、実施時期や駆除剤を混ぜた餌の設置方法を課題に挙げ、本年度中に再試験を行う方針が示された。試験結果を評価した上で、18年度の実施計画を検討する。

 

 事業は環境省が一般財団法人自然環境研究センターに委託し、奄美マングースバスターズ(42人)を中心に駆除を進めている。事業の進展に伴う低密度化で捕獲数は年々減少し、16年度は前年度より12匹少ない28匹と過去最少を更新した。

 

 17年度の事業報告によると、12月末現在の捕獲は9匹で、前年同期(21匹)の半数以下にとどまる。全てわなによる捕獲で、探索犬による捕獲はなかった。エリア別の捕獲数は金作原、和瀬、名音で各3匹。捕獲地点は金作原、和瀬の境界付近と、名音中部の大和村嶺山地区の2地域に限定され、「分布範囲の断片化が一層進んでいる」としている。

 

 化学的防除試験は、マングースの防除策では国内初。4~5月の春期に、従来のわなや探索犬による捕獲が困難な同村嶺山地区の県道沿いで実施。約50㌶のエリア内の67地点に、駆除剤を混ぜた餌を仕掛けた。

 

 自動撮影カメラによるモニタリング結果では、設置した餌をマングースが食べたとみられる様子が確認されたのは1件にとどまった。春期は昆虫類や陸産貝類などの餌が豊富なことや、連日の餌の設置作業によってマングースの警戒が強まったことを要因に挙げた。

 

 再試験は今月から3月末までの冬期に実施。狩猟期と重なるため、餌の設置地点をイノシシに影響しない19地点に減らす。マングースが警戒しないように、餌を設置するための巡回頻度を軽減する。

 

 22年度の完全排除を掲げる13年度から10年間の第2期防除実施計画について、分布域の北端から南端へ向けて局所的排除を進めるとしていた方針を、分布の外縁部から中心へとするなど、前半の進捗状況を踏まえて計画を見直す提案があった。