絶滅危惧種のトウギョ知名町に40匹里帰り

坂口さん(左下)からトウギョの稚魚を受け取った地元の子どもたち=27日、知名町瀬利覚

坂口さん(左下)からトウギョの稚魚を受け取った地元の子どもたち=27日、知名町瀬利覚

 環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠA類に指定されているトウギョ(和名・タイワンキンギョ)の里帰り式が27日、知名町瀬利覚のトウギョ保全・増殖用の田んぼであった。かごしま水族館(鹿児島市)の飼育員、坂口建さん(28)から、地元の子どもたちがトウギョの稚魚40匹を受け取った。半年間、水槽などで育てた後、田んぼに放流する計画。

 

 トウギョは国内では同島と沖縄本島にのみ分布する淡水魚。昔は水田や川で普通に見られていたが、水田の減少などで激減。瀬利覚集落で地域興しに取り組むファングル塾(朝戸武勝代表)が、2013年から地元の子どもたちと一緒に、集落のため池でトウギョの保全・増殖活動を続けていたが、昨年頃から徐々に減少し、今年の春先には、ため池にトウギョの姿が全く見られなくなった。

 

 ファングル塾では絶滅のリスク回避のため、水槽などで分散飼育もしているほか、昨年夏にはかごしま水族館にトウギョ4匹を預けた。今年7月上旬に同水族館でふ化した約40匹の稚魚が今回里帰りすることになった。

 

 関係者によると、ため池内のトウギョの絶滅は、水鳥やヤゴ、グッピーなどによる個体や卵の捕食と、冬場の水温低下などが原因として考えられるという。

 

 坂口さんは「きれいな水質を保たないといけない半面、餌となる適度な量のプランクトンの発生も必要で、保全には難しさもある。水族館で1年間育ててみて飼育のこつも多少はつかめた。ファングル塾の活動への助言などのサポートもしていきたい」と話した。

 

 ファングル塾などによるトウギョの保全・増殖活動は17年12月、日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」にも登録されている。

 

 朝戸代表は「ビオトープ(ため池)からトウギョがいなくなった時は肝を冷やした。より慎重に保全活動に取り組みたい」と語った。

里帰りしたトウギョの稚魚=同

里帰りしたトウギョの稚魚=同