過去最多922匹に施術  17年度、野良猫TNR事業

TNR事業で不妊手術を行うため捕獲された野良猫(奄美市環境対策課提供)

TNR事業で不妊手術を行うため捕獲された野良猫(奄美市環境対策課提供)

  奄美大島5市町村は野良猫の繁殖制限を目的に不妊手術を行う「野良猫TNR事業」を進めている。2017年度の手術実施数は前年度より184匹多い計922匹と過去最多。奄美市を皮切りに13年度に始まったTNRの累計実績は計2382匹となった。18年度は島内計1030匹の施術を計画。7月に始まる野生化した猫(ノネコ)の捕獲と連動して、5市町村が連携してノネコの元になる野良猫対策の強化を図る。

 

 TNRは野良猫を捕獲(Trap)して不妊手術(Neuter)後に元の場所に戻す(Return)ことで、野良猫の増加を抑制する試み。手術をすることで繁殖を制限するほか、発情期の鳴き声や尿によるマーキングを抑制し、病気予防にもつながるという。野良猫は手術済みの印として耳先をカットして放す。

 

 奄美大島では奄美市が13年11月に単独で野良猫TNR事業をスタート。16年度には5市町村の足並みがそろい、奄美群島振興交付金を活用して取り組みを進めている。

 

 17年度実績の市町村別内訳は▽奄美市200匹(16年度実績138匹)▽瀬戸内町171匹(同204匹)▽大和村29匹(同38匹)▽宇検村77匹(同78匹)▽龍郷町445匹(同280匹)。18年度は各市町村で100~240匹の施術を計画。事業費は5市町村合わせて1872万5千円。

 

 5市町村でつくる奄美大島ねこ対策協議会は19年度から、各市町村別だったTNR事業を一元化して島内の専門機関に委託する方針。島内でもノネコの生息密度が高い森林部に近い集落で集中的にTNRを実施するなど、広域的な取り組みを進めて猫の野生化の防止につなげる。野良猫の増減など事業効果を確認するモニタリングの強化も図る。

 

 島内に野良猫は5千~1万匹いると推定される。5市町村は条例で野良猫への餌やりを禁じたり、放し飼いの猫に不妊手術を義務付けるなど対策を講じているが、住民の理解はなかなか深まらないという。

 

 同協議会事務局の奄美市環境対策課は「ノネコの発生源対策を着実に実施する。野良猫が増えないように、飼い猫を適正に飼養する住民意識の啓発も進めたい」と述べた。