金作原、夜間ツアー 利用対策が急務

世界自然遺産 奄美大島の推薦区域修正案 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」世界自然遺産候補地地域連絡会議の奄美大島部会が14日、奄美市住用町の住用公民館であり、2020年に自然遺産登録へ再挑戦する奄美・沖縄の推薦書の修正案について報告があった。奄美大島は九つに分断されていた推薦区域を整理して一つにまとめる。遺産の包括的管理計画の修正に関する質疑で、観光客が増加する金作原国有林(奄美市名瀬)やアマミノクロウサギなどを観察する夜間ツアーについて、早急な利用適正化策を求める声があった。

 

 地域連絡会議は行政や地元団体など関係機関の調整や合意形成を図る目的で設置され、候補地の4地域にそれぞれ部会を設けて遺産の適正な管理の在り方を検討している。奄美大島部会には約40人が出席した。

 

 奄美・沖縄は今年の世界遺産委員会で最終審査を予定していたが、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)が推薦区域の見直しなどを求めて「登録延期」を勧告。政府は6月に推薦を取り下げた後、11月に20年の登録に向けた再推薦を決めた。

 

 推薦書の修正案は、IUCNの指摘を踏まえて推薦区域を見直した。奄美大島は推薦区域に近接する奄美市住用町4カ所、瀬戸内町1カ所の緩衝地帯を推薦地に編入し、飛び地になっていた両町の計5カ所を推薦地から除外し、分断を解消した。

 

 遺産登録による観光客の増加を見据えた利用適正化に関して、金作原では関係機関が通行規制など利用ルールの導入を検討している。島中南部などで行われる夜間ツアーは今のところ特に規制はない。

 

 出席者から夜間ツアーによる野生生物への影響を懸念する指摘があり、環境省奄美自然保護官事務所の千葉康人上席自然保護官は「混雑によって野生生物のロードキル(輪禍)や、利用者の満足度の低下が懸念される。車両トラブルも発生している。公道なので、関係者の理解を得ながら利用調整を考えたい」と述べた。

 

 金作原の利用調整については「旅行会社からツアーの要望は多いが、今後どう利用するのか方向性がはっきりしないので説明できない」という声があり、早期の対策の導入へ「道路管理者を一元化して体制をつくるべき」との意見があった。

 

 那覇市で21日に開く地域連絡会議を経て、来年2月1日までにユネスコへ正式な推薦書を提出する。