クロウサギ 事故最多47件 注意呼び掛け 奄美大島

2020年12月26日

ドライバーにアマミノクロウサギの交通事故防止を呼び掛けた環境省の職員=24日、瀬戸内町

ドライバーにアマミノクロウサギの交通事故防止を呼び掛けた環境省の職員=24日、瀬戸内町

 奄美大島で国の特別天然記念物アマミノクロウサギの交通事故が多発していることを受けて、環境省は24日夜、瀬戸内町の町道でドライバーにチラシを配布し、注意を呼び掛けた。今年は同島でこれまでに47件の事故が発生しており、2000年の調査開始以降で最多となっている。

 

 アマミノクロウサギは奄美大島と徳之島の固有種。環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類。近年、両島で交通事故が増えており、同省はクロウサギが活発に動き出す毎年秋ごろに、両島で交通事故防止キャンペーンを展開している。

 

 奄美大島では今年、これまでに最多だった17年の26件から倍増するペースで事故が発生している。事故の急増を受けて、24日は特に多発している瀬戸内町の町道網野子峠線の2カ所でチラシを配布した。瀬戸内署の協力で、同省と瀬戸内町の職員が沿道に立ち、ドライバーに車のスピードの出しすぎに注意するよう呼び掛けた。

 

 野生生物を襲うマングースやノネコ対策が進んだことで、クロウサギの生息状況が回復していることが事故増加の一因とみられる。奄美野生生物保護センターの早瀬穂奈実国立公園管理官は「一人一人が気を付けることで交通事故は減らせる。ゆっくりと気を付けて運転して」と呼び掛けた。