ドラゴンフルーツ一斉開花/笠利町喜瀬の畑

2018年07月30日

年に一晩だけというドラゴンフルーツの一斉開花=24日午前6時すぎ、奄美市笠利町喜瀬(里栄喜さん撮影)

年に一晩だけというドラゴンフルーツの一斉開花=24日午前6時すぎ、奄美市笠利町喜瀬(里栄喜さん撮影)

 夜、初めて見た住民が「畑に雪が降っとるど」と園主宅に血相変えて駆け込んできたという。奄美市笠利町喜瀬のドラゴンフルーツ園が今年も一斉に咲いた花で白く染まった。

 

 園主は柊田末雄さん(71)。7年ほど前に知人から譲り受けた20本を自家消費用に植えたのが始まり。親類や近所に果実を贈って喜ぶ顔を見るのが楽しかった。ところが評判はどんどん広がり、生産依頼が次々舞い込こんで今や2千本。

 

 花は午後9~11時に開き、翌日午前10時ごろまでにしぼむ。それが5月中旬から10月にかけて続く。ただし「理由は分からぬ」(柊田さん)が、年に一度だけ集中開花日がある。柊田さんも初めて見た時は驚いた。今年は7月23日から24日にかけて、花は推定約3千個。

 

 昨年は開花予測情報が広がり、夜の花見客が約100人に。柊田さんは夫婦で応対に追われた。「役場を退職してからはゆっくり過ごそうと考えていたのに…。こんなに大変になるとは思っていなかった。注文に応じきれない。自分たちは花見をする余裕もない」

 

 収穫は11月ごろまで続く。引き合いは全国のレストランやホテル、豪華列車を運行する鉄道会社にと広がっているという。