お疲れさま タワ、ユウキ 引退マングース探索犬、奄美大島

2020年05月09日

世界自然遺産

引退した探索犬のタワ(左)とユウキ(奄美野生生物保護センター提供)

引退した探索犬のタワ(左)とユウキ(奄美野生生物保護センター提供)

  大和村思勝の環境省奄美野生生物保護センターで4月28日、奄美大島のマングース防除に貢献した探索犬2匹の引退式があった。犬とペアを組んで防除に取り組んだ奄美マングースバスターズのハンドラー(訓練士)は「余生をのんびりと自由に生きてほしい」とねぎらった。今後は2匹ともそれぞれのハンドラーと島内で暮らす。

 

 探索犬は同島で防除が進んで生息密度が低下したマングースを効率的に捕獲するため、同省が2008年度に導入した。生きたマングースの臭いを探知して追跡し、ハンドラーの捕獲の手助けをする「生体探索犬」と、ふんの臭いを探知して根絶したかどうかをモニタリングする「ふん探索犬」が活動している。

 

 引退したのはテリア系の12歳の雄「タワ」とジャーマンシェパードの8歳の雄「ユウキ」。高齢のため体力に衰えが見えてきたため引退が決まった。

 

 タワは08年の初代探索犬のうちの1匹。活動は今年3月まで10年間に及び、生体探索犬としてマングース23匹の捕獲に貢献した。ユウキは初のふん探索犬として導入され、15年から4年半活動。ハンドラーと訓練を重ねて高い根絶確認の能力を身に付けた。

 

 タワのハンドラーを務めた後藤義仁さんは「初代探索犬は手探りの状態で、時には厳しい訓練もあったと思う。探索犬の活躍でマングースの完全排除は夢でなくなった」とたたえた。ユウキのハンドラー白石聡さんは「元気なうちに引退させることができてよかった。大型犬は訓練が大変。チームの皆さんに支えてもらった」と感謝の言葉を述べた。