希少種の盗掘防止へ 奄美大島で夜間パトロール

2018年09月05日

夜間の林道でパトロールを行う環境省の関係者=8月、奄美大島(環境省奄美自然保護官事務所提供)

夜間の林道でパトロールを行う環境省の関係者=8月、奄美大島(環境省奄美自然保護官事務所提供)

  環境省は8月、奄美大島の希少種保全夜間パトロール事業を開始した。山中の林道など島内5市町村の複数のルートで夜間にパトロール(巡視)を行い、希少種の盗掘・盗採防止を図り、生息状況の調査や外来種の監視も行う。

 

 奄美大島にはアマミイシカワガエルやアマミマルバネクワガタ、アマミテンナンショウなどの固有種を含む希少な野生動植物が多く生息・生育し、昨年3月に国立公園に指定された。同事業は同島の貴重な自然環境を守る目的で2015年度に始まり4年目。

 

 パトロールは奄美の野生動植物に詳しいNPO法人奄美野鳥の会(鳥飼久裕会長)に委託して10月にかけて実施。パトロール中に見掛けた人や車両に声を掛け、チラシを手渡して法律や条令で捕獲や採取が禁止されている希少野生生物や、自然公園法の規制などについて普及啓発する。

 

 環境省奄美自然保護官事務所の千葉康人上席自然保護官は「昆虫トラップや不審者情報がなくならない。奄美大島5市町村が行っている昼間のパトロールとも連携を図りながら、島の貴重な野生動植物を守っていきたい」と話した。