林道散策し、自然観察 徳之島FAM

2019年11月13日

希少な動植物を観察した徳之島FAMトリップの参加者たち=10日、徳之島町の林道山クビリ線

希少な動植物を観察した徳之島FAMトリップの参加者たち=10日、徳之島町の林道山クビリ線

 国内在住の外国人らを招いたツアー「徳之島FAM(ファム)トリップ」が10日、同島であった。地元の認定エコツアーガイドと地域通訳案内士、子どもたちが同行。来夏の世界自然遺産登録を目指す島の豊かな自然に触れながら、交流も深めた。

 

 来島したのは、米国出身で奄美市ALT(外国語指導助手)のオリベロ・ジェイクさん(27)とスニゴウスキー・ジェイソンさん(26)、中国系メディア・東方インターナショナル所属で中国出身の長野靖子さん(48)。ガイド、通訳計8人が案内役を務め、島内から小中高校生21人も参加した。

 

 一行は島の北部に位置し、アマミノクロウサギなどが観察できる林道山クビリ線を訪れた。希少な動植物に関するガイドの解説を通訳案内士が通訳しながら周辺を散策。参加者たちが真剣な様子でメモを取ったり、写真撮影したりする姿が見られた。参加した樟南第二高校の福田晴日さん(17)は「生まれ育った徳之島について知らないことがたくさんあった。外国の人たちに島の素晴らしさを伝えられるよう英語の勉強を頑張りたい」と話していた。

 

 ゲスト3人は同日、ソテツトンネルやムシロ瀬といった島の観光地も巡った。ジェイクさんは「徳之島の自然はとても美しい。この島にしかないものがたくさんある。風習や文化などについても、子どもたちと情報交換できてよかった」と笑顔を見せた。

 

 ガイドで通訳案内士の松田りえ子さん(65)は「ガイドと通訳の連携を深める大変いい機会になった」と振り返り、外国人観光客などの受け入れ態勢構築に向け、「外国語表記の案内板やトイレの整備はもちろん、天気に関係なく楽しんでもらえる場所作りや案内方法をみんなで考えてきたい」と力を込めた。

 

 FAMトリップは奄振交付金を活用した「奄美群島育成人材フォローアップ事業」の一環。南海日日新聞社が主催し、16、17日は与論島で行う。