猫は正しく飼って 名音小で出前授業

2018年11月08日

ぬいぐるみを使ってマイクロチップの読み取りを体験する児童ら=7日、名音小学校

ぬいぐるみを使ってマイクロチップの読み取りを体験する児童ら=7日、名音小学校

  大和村の名音小学校(福和人校長、児童11人)で7日、奄美ネコ問題ネットワーク(ACN)の出前授業があった。全児童が参加し、野生化した猫(ノネコ)がアマミノクロウサギなどを襲っている現状を知り、奄美の自然環境を守るために、猫を適正に飼うことの大切さを学んだ。

 

 ACNは世界自然保護基金(WWF)ジャパンの協力で、トヨタ環境活動助成プログラムを活用して2016年度から奄美市内の学校で出前授業を行っている。大和村では18年度に始まり3校目。

 

 授業ではWWFジャパンの大倉寿之さんが奄美大島の自然の特徴を紹介。奄美にしかいない生き物が多い一方、外部からの侵入にとても弱いため「守っていかないといけない」と強調。多くの生き物が共生する森で、ノネコなどの外来種が生態系への脅威となっている現状を取り上げた。

 

 ACN副代表の鳥飼久裕さんはノネコや野良猫、放し飼いの猫など「家の外に猫がたくさんいることが問題」と指摘し、名音集落にいた野良猫が、希少な生き物が多い森の中でも目撃された事例を紹介。ノネコや野良猫を増やさないように、家の中で飼うことやマイクロチップの装着、不妊手術をすることの大切さを訴えた。

 

 2年生の高藤陽星君(8)は「猫が森にいるのは人間のせいだと知った。名音の人に猫を捨てないように伝えたい」と話した。