笠利湾にウミガメ死骸 釣り糸原因か 龍郷町

2018年05月11日

釣り糸が絡まった状態で死んでいるのが見つかったアオウミガメ(提供写真)

釣り糸が絡まった状態で死んでいるのが見つかったアオウミガメ(提供写真)

 龍郷町の笠利湾で6日、アオウミガメの死骸が海面に浮いているのを地元のダイビング業の男性が見つけた。前脚に釣り糸が絡まった状態で、男性は「根掛かりした糸が巻き付いて外れず、窒息死したのではないか」と話し、釣り人らのマナー向上を呼び掛けている。

 

 同日午前9時ごろ、男性がダイビング客を案内するため出航したところ、港の出口付近でうつぶせの状態で浮かんでいるウミガメを見つけた。死骸は傷みが少なく、死亡直後とみられるという。

 

 地元のダイビング業者らは不定期に、漁具も含めた海中のごみの回収をボランティアで行っている。男性は「最近港でよく見かけていたカメだと思う。苦しかっただろう。海を利用する人はマナーを守ってほしい」と話した。

 

 奄美海洋生物研究会の興克樹会長は「死骸を解剖することで死因を特定したり、DNAサンプルを取るなど保護に役立つ貴重な情報を得ることができる」と話し、ウミガメのほかイルカやクジラなどの死骸を見つけた際は、同研究会や行政など関係機関に連絡するよう呼び掛けている。