飼い犬にマイクロチップ 徳之島

2019年12月06日

犬に襲われたとみられるクロウサギ=9月28日、徳之島町母間

犬に襲われたとみられるクロウサギ=9月28日、徳之島町母間

 今年に入り犬による食害とみられるアマミノクロウサギの死亡事案が徳之島で多発したことを受け、環境省は5日から、飼い犬へのマイクロチップ装着支援事業を同島で開始した。徳之島町の動物病院にマイクロチップを無償配布し、希少野生生物の保護と飼い犬の適正飼養を図る。

 

 同省は2008年度から同事業を開始し、17年度に一旦終了した。だが今年5月に天城町当部で犬によるクロウサギの食害被害を確認したのを皮切りに、9月には徳之島町母間で3日間で7匹の死骸が見つかり、10、11月にも同町北部で各1匹の被害があったことから、緊急的に事業実施を決めた。

 

 チップは100本用意した。ペットにチップを埋め込むことで迷子になった個体が識別できるほか、飼い主の責任が明確になることで遺棄の防止、希少動物種保護につながる。

 

 装着希望者は同町亀津の徳之島動物病院で装着できる。装着料(2千円)と登録料(1050円)は飼い主が負担する。事業はチップがなくなり次第終了する。

 

 17年度までに同省の事業を活用した島内での犬へのチップ装着件数は約100件。同省徳之島管理官事務所の沢登良馬国立公園管理官は「徳之島ではチップの装着が進んでいないのが現状。事業を通じて犬の適正飼養につなげ、野生生物の保護を図りたい」と述べた。

 

 装着希望者は同病院電話0997(82)1012へ。