龍郷湾に里帰りサンゴ移植 マリンワールド職員も参加 奄美漁協

2018年11月28日

サンゴを岩に固定させるメンバーら=27日、龍郷町(提供写真)

サンゴを岩に固定させるメンバーら=27日、龍郷町(提供写真)

 奄美漁業協同組合龍郷支所サンゴ部会(前田聡代表)は27日、龍郷町の湾内にサンゴの株を移植した。2年前に同部会保有の親サンゴから枝打ちし、福岡市の水族館「マリンワールド海の中道」で養殖させたもの。ミドリイシ8株が初めて里帰りし、部会メンバーやマリンワールド職員らの手で植え付けられた。

 

 前田代表(58)によると、同部会は10年ほど前に県の事業委託を受けて湾内2カ所でサンゴ育成活動に着手。2年に1回ペースで移植作業を行っている。

 

 マリンワールドは「九州の海」をテーマに展示を構成しており、その一つに「奄美のサンゴ礁」ゾーンがある。今回の移植株はコーナー一角の水槽で育ててきたもの。

 

 植え付け作業はサンゴ部会4人と、海の中道海洋生態科学館展示部魚類課から垣野陽介主任(41)、太田早智さん(37)が参加した。水深8メートルのポイントまで潜り、株を活着させたプレートを専用接着剤で岩に固定した。

 

 太田さんは「サンゴに体力をつけさせて海に返すまでが活動の流れ。育てた株を実際に移植して感慨深かった」と話した。

 

 前田代表は「部会も養殖に取り組んでいるが、海藻の影響や水温管理などが課題。水族館は環境が安定しているのでちゃんと育っている。今後も連携していけたら」と語った。