大島海峡でリーフチェック

2018年11月24日

大島海峡内で行われたリーフチェック=21日、瀬戸内町加計呂麻島の安脚場沖(興克樹さん撮影)

大島海峡内で行われたリーフチェック=21日、瀬戸内町加計呂麻島の安脚場沖(興克樹さん撮影)

 地元ダイビング事業者などで組織する瀬戸内町海を守る会(円山正吾会長)は21日、奄美大島南部の大島海峡内で海の健康度を調査するリーフチェックを行った。海底がサンゴで覆われている割合を示すサンゴ被度は、浅場の水深5メートル地点、深場の同10メートル地点ともに前年を上回った。台風24号の影響による破損が一部でみられたものの、回復傾向が続いている。

 

 調査地点は瀬戸内町加計呂麻島の安脚場沖約200メートルに広がる礁斜面。同会会員と町職員、専門家ら20人が参加。水深5メートル、同10メートル地点でそれぞれサンゴ被度と魚類、無脊椎動物の数などを潜水調査した。

 

 サンゴ被度は、水深5メートル地点で前年(46・3%)を4・3ポイント上回る50・6%。水深10メートル地点でも47・5%と前年(45・6%)を1・9ポイント上回った。浅場、深場とも台風による破損が確認されたが、全体の5%未満にとどまる。海水温の上昇による白化現象やオニヒトデの食害はほとんどなかった。

 

 安脚場沖の調査は2001年に始まり18年連続で実施。奄美大島南部の周辺海域では同年から05年にかけてオニヒトデが大量発生し、食害によってサンゴは壊滅的なダメージを受けた。調査地点は02年6月にサンゴ保全海域に設定され、オニヒトデの継続的な駆除活動を展開してサンゴ群落を保護した。

 

 守る会はサンゴの破損を防ぐため、船の停泊時にいかりを下ろさなくても済むように、係留ブイを設置するなど保全に努めている。今年はリーフチェックに合わせてオニヒトデの駆除と海底清掃も行った。

 

 円山会長(33)は「台風の影響で流木や漁具、ペットボトルなどのごみが多かった。これだけサンゴが保たれているところは少ない。貴重なサンゴを今後も守っていきたい」と話した。