「徳之島民話事典」を刊行

「徳之島民話事典」刊行 久岡  徳之島町出身で郷土文化研究会を主宰する本田碩孝さん(76)=沖縄・南風原町=は8月、「徳之島民話事典・上」「同・下」=写真=を刊行した。長年のフィールドワークで収集した民話は700以上。民話の背景も考察した。徳之島の口承文芸の豊かさを伝える。

 

 本書は民話に加えて民話の背景、話者の紹介、出典など50音順に掲載した。伊仙町で行われる豊作祈願の「イッサンサン」については由来となった昔話を採集した。

 

 怠け者の息子一坊が田んぼのウナギを捕まえるため、毎日のように田起こしをしたところ、他の田よりも稲が育った。一坊は一生懸命、働くようになった。一坊が作る稲は3倍もできたので「一三坊」と呼ぶようになったという。このほか、ケンムンやカエルの話など興味深い民話が収録されている。

 

 本田さんは徳之島高校、千葉大学教育学部卒。県内小学校で教職員として勤務する傍ら、民話や唄を収集、民俗を研究した。徳之島郷土研究会長も務めた。主な著書に「奄美民話集1~6」「阿木名校区誌」「瀬戸内八月踊り唄集」などがある。

 

 本書は「上・下」各100部印刷した。定価5500円(税込み)。電話090(4587)9684本田さん。