「西郷どん」制作裏話 原口泉氏が知名町で講演

講演で、ドラマ「西郷どん」制作の裏話などを紹介した原口氏=3日、知名町中央公民館

講演で、ドラマ「西郷どん」制作の裏話などを紹介した原口氏=3日、知名町中央公民館

  志學館大学教授で、鹿児島県立図書館長の原口泉氏による歴史講演会(知名町教育委員会主催)が3日、同町中央公民館であった。昨年放送されたNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の時代考証を担当した原口氏は、奄美大島編や沖永良部島編を中心にドラマと史実との違いを解説し、制作裏話も披露した。

 

 ドラマでは西郷の妻愛加那が島民を引き連れて、薩摩の役人に捕らわれた父や兄を助けに向かったり、大久保利通が奄美大島へ来て西郷隆盛を本土に戻そうと、西郷や愛加那を説得するシーンが描かれたが、これらは全て史実と異なると説明した。

 

 原口氏は、放送後に史実との相違に関して多くの意見が寄せられたとし、「見る人が感情移入できないとドラマとしては面白くない。ただの歴史の授業になる。視聴者に不安や希望を共感してもらう仕掛け。そこにフィクションが入る」と理解を求めた。

 

 時代考証担当として原作作家やドラマの脚本家、NHK担当者と何度も意見を交わしたことも紹介した。

 

 原口氏によると、当初の脚本には、西郷に会うために愛加那が徳之島に行くシーンはなく、代わりに沖永良部島に愛加那が来て、生死の淵をさまよう西郷を救うことが書かれていたという。

 

 原口氏は「徳之島のシーンは史実こそがドラマ的。また沖永良部島で西郷を生き返らせたのは沖永良部の人たち。そこはフィクションではいけないと思い、私も相当粘った」と時代考証担当としての苦労話を明かした。

 また知名町正名集落の名の由来となったとされる鹿児島出身の明治の偉人、前田正名の功績なども紹介した。