大島紬の魅力も発信 橋本さん奄美テーマに東京で個展

来場者へ泥染めの魅力を語る橋本さん(中央)=19日、東京・渋谷

来場者へ泥染めの魅力を語る橋本さん(中央)=19日、東京・渋谷

 奄美の大島紬と泥染めに魅せられ、染色作家としても知られるファッションデザイナーの橋本真智子さんが18日から、東京・渋谷のギャラリーで個展を開いている。テーマは「奄美の地・血・智」。布帛(ふはく)、皮革を泥染めして仕立てたコートやベスト、パンツなど約150点を展示販売し、その魅力をアピールしている。24日まで。

 

 橋本さんは1974年にパリへ渡り、ファッションデザイナー高田賢三さんに師事。感性と技術に磨きをかけて80年に帰国後、オリジナルブランドを立ち上げた。大島紬と泥染めに出合ったのは2008年。以降、奄美大島に通い詰め、泥田に入って自ら染色も手掛けている。

 

 奄美伝統の技法にパリ仕込みのデザインと感性を組み合わせた作品は高い評価を受け、今年9月に大手の生地・手芸卸売業「ユザワヤ」が主催した「第25回ユザワヤ創作大賞展」では一昨年に続きファッション大賞を受賞した。

第25回ユザワヤ創作大賞展でファッション大賞を受賞し、表彰式に臨んだ橋本さん(左)=提供写真=9月29日、東京・大田区民ホールアプリコ

第25回ユザワヤ創作大賞展でファッション大賞を受賞し、表彰式に臨んだ橋本さん(左)=提供写真=9月29日、東京・大田区民ホールアプリコ

 

 18回目の個展となる今回は作品のほか、会場の約3分の1のスペースを使って紬を展示。紬の歴史や製造工程を解説し、紬の魅力を紹介している。若手の服飾デザイナーも来場し、橋本さんにアドバイスを求める姿も見られた。

 

 「皮革の泥染めには、作品への情熱が欠かせない。水を含んだ重い原料を担ぎ、何度も何度も泥田を往復していると、奄美の自然と伝統を守る人々が重ねた歴史がオーバーラップして私の胸をたたく。これからも謙虚に素材と向き合い、作品を通じて人々の心に彩りを添えたい」と語り、次の作品制作への意欲をにじませた。