沖永良部方言、次世代へ 国語研と和泊町、継承で協定 28日に知名町も

えらぶむにの復興、継承に向け、連携協定を結んだ国立国語研究所(右側)と和泊町の関係者=25日、和泊町役場町長室

えらぶむにの復興、継承に向け、連携協定を結んだ国立国語研究所(右側)と和泊町の関係者=25日、和泊町役場町長室

  【沖永良部総局】国内の地域言語(方言)の記録や継承活動の支援などを行っている国立国語研究所(東京都)と和泊町は25日、沖永良部島の方言(えらぶむに)の復興と継承に向けた取り組みや学術交流を推進するための連携協定を結んだ。今後、両者が協働し、えらぶむにの研究や次世代への継承に取り組む。28日は知名町とも同様の協定を結ぶ方針。

 

 えらぶむには国連教育科学文化機関(ユネスコ)が発表した消滅危機言語の一つで、次世代への継承が危ぶまれている。これまで国語研の研究員が地元の賛同者の協力を得ながら、個別に実施してきたえらぶむにの調査や継承活動を、今後は協定に基づき、町と研究機関が協働して推進していく。

 

 現地での調査研究や継承活動を進めるに当たり、地元の機運醸成や活動の周知など、広報面などで町の協力を得たい国語研と、地域の宝である「えらぶむに」の保存、継承へ専門的な視点や支援がほしい町の狙いが一致。今回の協定締結につながった。

 

 国語研の田窪行則所長、木部暢子副所長、山田真寛准教授の3人が和泊町役場を訪問し、町長室で伊地知実利町長ら3役と面会。情報交換の後、協定書にサインした。

 

 2019年度は具体的な活動に向けた「協議の年」とし、円滑な連携に向けて双方に担当者も置く。今後、①講演、ワークショップなどのしまむにイベント②用例や音声データが付いたオンライン語い集(しまむに辞典)の制作③しまむに映像コンテンツの作成―の事業推進に取り組むことも確認した。

 

 田窪所長は「これまで山田君ら研究員が沖永良部島で進めてきた言語の復興、継承のための支援は先駆的な活動で、さらに推進し、沖永良部をモデルケースとして全国の他自治体にも広げていきたい」と語り、伊地知町長は「研究機関の先生方の今回の申し出は大変ありがたい。貴重なこの島の言語がなくならいよう協力していきたい」などと話した。