稲魂招き豊作祈願 ショチョガマ、平瀬マンカイ 龍郷町秋名・幾里

「ヨラ、メラ」の掛け声で「ショチョガマ」を揺らす男衆=11日午前6時半ごろ、龍郷町秋名

「ヨラ、メラ」の掛け声で「ショチョガマ」を揺らす男衆=11日午前6時半ごろ、龍郷町秋名

 龍郷町の秋名・幾里地区に伝わるアラセツ(新節)行事の「ショチョガマ」「平瀬マンカイ」が11日、同地区の山腹と海辺であった。平日の開催にも関わらず今年も多くの住民や観光客が訪れ、ニャダマ(稲魂)を招き豊作を祈願する伝統の祭りを見守った。

 

 秋名アラセツ行事は収穫に感謝し、来年の五穀豊穣を祈る稲作儀礼。戦中戦後に一時途絶えたが、1960年に保存会が復活させた。85年には国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 

 夜明け前の午前5時半ごろ、集落と田袋を見下ろす山の中腹に立てたショチョガマ(片屋根のわらぶき小屋)でチヂン(太鼓)が打ち鳴らされ、祭りが始まった。宮司が祝詞を唱えた後、屋根に上がった男衆約100人が、重く実った稲穂が田に倒れるほどの豊作を願って「ヨラ、メラ」の掛け声で屋根を揺さぶった。

 

 午前6時半すぎ、北側へ小屋が倒されると周囲から歓声が上がり、保存会の面々が小屋の上で八月踊りを歌い踊った。

 

 平瀬マンカイは午後4時すぎから海岸の二つの岩の上で行われた。しめ縄が巡らされた沖側の「神平瀬」にはノロ役の女性5人、集落側の「メラベ(女童)平瀬」にはノロの補佐役の男女7人が上がって向かい合い、唄の掛け合いと手踊りを繰り返して海のかなたの楽園・ネリヤカナヤの神々に祈りをささげた。

 

 秋名・幾里のアラセツ行事には事前準備から多くのボランティアが参加し、運営を支えた。秋名アラセツ行事保存会の窪田圭喜会長(77)は「皆さんの手助けに感謝している。唄のはやしではショチョガマが南北どちらに倒れても豊作とされており、来年も幸せな年になると信じている。来年もたくさんの人に加わってもらいたい」と話した。

海のかなたの神々に五穀豊穣を祈る「平瀬マンカイ」=11日午後4時ごろ、龍郷町秋名

海のかなたの神々に五穀豊穣を祈る「平瀬マンカイ」=11日午後4時ごろ、龍郷町秋名