徳之島の写真家・加川京さん 憧れのニコンサロンで個展 東京・銀座

2019年06月15日

芸能・文化

東京のニコンサロンで個展「風と土と」を開催した加川さん=5月30日

東京のニコンサロンで個展「風と土と」を開催した加川さん=5月30日

 【東京支社】徳之島の写真家、加川京さんの作品展「風と土と」が5月29日から今月11日まで、東京・銀座ニコンサロンで開催された。ニコンサロンは公募制の写真展会場で、厳正な審査を通過した写真家のみが出展できる狭き門。加川さんは徳之島を舞台にした37点の作品を出展し、国内外のプロカメラマンや写真愛好家から高い評価を得た。

 

 加川さんは、徳之島で写真館を営む父・徹さんの次女。長男・亮さんと共に幼少期からカメラに親しんだ。上京し本格的に写真を学んだ後に帰郷。地域と密着した撮影を続けている。

 今回の展示作品を撮影した機材は6×7(通称ロクナナ)と呼ばれる父の愛機。主に集合写真の撮影で活躍した中判カメラで島の風景や人々を撮影した。現像後のプリントにはデジタルスキャナーを活用し、表現の幅を広げた。

 

 来場したプロの写真家からは「落ち着いてシャッターを切っているのがよく分かる。柔らか光の中に、作者の強い意思を感じる」(風景写真家・50代)「写真の中に南国の湿度と透明感が絶妙に表現されている。被写体との信頼関係から生まれた人物の表情も素晴らしい」(舞台写真家・40代)と作品を絶賛する声が数多く寄せられた。

 

 加川さんは「母が亡くなってからの7年間で撮影した作品を出展した。生まれ育った徳之島は見え方に日々変化が生まれる。島の人々の営みと、ありのままの自然を自身の手で確認しながら撮影を続けている」と作品に対する思いを語った。同写真展は6月20日から7月3日まで、大阪ニコンサロン(大阪市北区梅田)で開催される。