西郷隆盛と菊次郎展始まる/菊池源吾真筆の手紙公開/龍郷町りゅうがく館

2018年04月21日

芸能・文化

テープカットで展示会のスタートを祝う関係者=20日、龍郷町

テープカットで展示会のスタートを祝う関係者=20日、龍郷町

 龍郷町文化財展示室特別企画「西郷隆盛と菊次郎展」が20日、同町浦の町生涯学習センター「りゅうがく館」で始まった。西郷が菊池源吾の名で龍郷に潜居した際の手紙や、奄美で生まれ後に京都市長となった息子菊次郎ゆかりの品などを展示。歴史的な功績とともに、人物像や家族の絆も紹介している。時間は午前9時~午後5時(入室は午後4時半まで)。観覧無料。

 

 初日は開催式典があり、碇山和宏町教育長は「NHK大河ドラマで西郷が脚光を浴びる中、龍郷町出身の菊次郎にもスポットを当てた企画展。ゆっくりと見てほしい」とあいさつ。関係者のテープカット、くす玉割りと続いた。

 

 展示品の目玉の一つは西郷が島役人に当てた直筆の手紙。「今井権現へ参拝後、一緒にイノシシ狩りへ出掛けましょう」という内容で、奄美市の吉国好さん(故人)が親族を通して今年3月、町に寄贈した。大河ドラマ「西郷どん」で時代考証を務める歴史学者の磯田道史さんは「奄美での暮らしがうかがえる貴重な1次資料」と評価する。

 

西郷家の歴史や家族の絆を伝える展示品に見入る来場者たち=20日、龍郷町

西郷家の歴史や家族の絆を伝える展示品に見入る来場者たち=20日、龍郷町

 会場には隆盛のひ孫に当たる西郷隆文さん所有の菊次郎愛用のカバンや、これまで資料がほとんどなかった娘菊草の写真を公開。島で迎えた妻愛加那とのエピソードも紹介している。珍しい展示品の数々に、来場者は興味深そうに見入っていた。

 

 町学芸員の川元美咲さんは「地元の方にこそ来てほしい。龍郷に伝わる西郷さんと家族の物語を通し、島の未来を考えるきっかけになれば」と来場を呼び掛けた。

 

 展示は2019年2月3日まで。問い合わせは電話0997(69)4529りゅうがく館。