「折れない心育む授業」人気 大和診療所長らが講師

折れない心を育てるいのちの授業に参加する大和小学校5、6年生の児童と大和診療所の小川所長(写真左)=2日、大和村思勝の大和小学校

折れない心を育てるいのちの授業に参加する大和小学校5、6年生の児童と大和診療所の小川所長(写真左)=2日、大和村思勝の大和小学校

 終末期医療の緩和ケアを専門とする一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会(東京都)の出張授業「折れない心を育てるいのちの授業~解決が難しい苦しみから学ぶこと~」が今、教育現場で注目を集めている。新型コロナウイルスの影響で、思うようにいかない現実やウイルスとの闘いは、まさに「解決が難しい苦しみ」。子どものみならず保護者からも「参考になる」と共感を呼んでいる。

 

 奄美大島では昨年から、同協会認定講師の小川信・大和診療所長らが出張授業を実施。終末期の患者や家族が穏やかに過ごすための手法が、学校現場で子どもたちの苦しみを救う一助になると同協会が制作したもの。今年に入り新型コロナの感染が拡大し、混迷する社会情勢を背景に一層注目が高まっている。

 

 授業では日常の苦しみを「希望」と「現実」の開きが原因と教える。「ゲームをもっとしたい」という希望と、「宿題をしなければならない」という現実の具体例を出しながら、児童でも苦しみの原因が分かるように解説する。自分で解決できない苦しみでも、「支えがあれば穏やかに過ごせる」として、児童一人一人の「支え」とは何か、紙に書いて気付きを促す。

 

 苦しむ人をどう支えるかについても考えさせる。傾聴するには言葉の反復が有効だとして、実際に「そうなんだね」という会話のやりとりを実践する。相手が「自分の気持ちを分かってくれる人」と安心してくれるよう、声を出さずにあえて沈黙して待つことも重要と説く。

 

 大和村思勝の大和小学校で2日、いのちの授業があり、会話の練習などをした5年の古謝勇真君(10)は「友だちを勇気づけたり、相手に信頼してもらえる人になるために、つらい時は話を聞いてあげられる人になりたい」と話した。

 

 今年は奄美大島内の小中学校や福祉関係者の研修会で10回ほど実施。11月には朝日中の家庭教育学級で保護者を対象に行い、「不登校で苦しんでいる子どもの気持ちを大事にしたい」「いじめの抑止になる」などの感想が寄せられたという。

 

 授業には他にも自己肯定感を高めるレッスンも含む。小川所長は「コロナ禍においても、誰にも言えず解決できない苦しみを抱えている人は多いと思う。穏やかに過ごすためのヒントにしてほしい」と話す。要望があれば無償で出張授業を行う。問合せは、電話0997(57)2053大和診療所。