南極の自然現象など学ぶ 元隊員が出前授業 小宿中

南極の氷を観察する生徒(写真右)と元南極地域観測隊員の井熊英治さん=9日、奄美市名瀬

南極の氷を観察する生徒(写真右)と元南極地域観測隊員の井熊英治さん=9日、奄美市名瀬

 南極地域観測隊の元隊員による出前授業「南極教室」が9日、奄美市名瀬の小宿中学校(山口良二校長、生徒152人)であった。キャリア教育の一環で実施。生徒たちは、基地の生活や南極の生き物の生態、極地の自然現象などを学び、未知の世界と自身の夢に想像を膨らませた。

 

 講師を務めたのは第47、50、52、53次日本南極地域観測隊員でミサワホーム総合研究所南極研究プロジェクト主幹研究員の井熊英治さん(51)。基地の建設や維持管理を担当し、現地の滞在期間は合計3年半になるという。

 

 井熊さんは写真や映像を使って▽南極大陸の広さは日本の37倍▽昭和基地の最低気温はマイナス45・3度▽もし南極の氷が全部溶けたら海面は約50メートル上昇する▽ブリザード(地吹雪)の最大瞬間風速は61・2メートル│などと解説。白夜やオーロラ、星空などの美しい写真や、ペンギン、アザラシなど過酷な環境に生きる動物の生態も笑いを交えながら紹介した。

 

 観測隊については、研究者や調理師、医者、建築・土木技術者などさまざまな業種の人が参加していると説明。限られた人数での活動は協力することが欠かせないため、人を思いやることの大切さも強調し、最後に、「勉強は夢の可能性の枠を広げるためにやっている。今、夢がなくても焦らなくていいし、幾つあっても、変わってもいい。いる場所で夢を咲かせて」と呼び掛けた。

 

 授業では南極の氷を観察する時間もあり、生徒たちはカップの中で溶ける氷から聞こえる2万年前の空気がはぜる音に耳を澄ませていた。

 

 1年生の嘉納清美さん(13)は「南極は寒い場所というイメージしかなかったけど、楽しく分かりやすい話で生き物の生態など新しい発見がたくさんあった。実際に南極でアザラシを見てみたい」と目を輝かせた。

2万年前の空気を含んだ南極の氷=9日、奄美市名瀬

2万年前の空気を含んだ南極の氷=9日、奄美市名瀬