命と平和の尊さ伝える 対馬丸語り部の大島さん講話 宇検村・田検小

対馬丸事件の悲惨さを児童たちに伝える大島さん(写真右)=10日、田検小

対馬丸事件の悲惨さを児童たちに伝える大島さん(写真右)=10日、田検小

 宇検村立田検小学校(平島勝彦校長)は10日、土曜授業を利用して対馬丸事件を学ぶ郷土学習を実施した。4~6年生の児童24人が受講。当時18歳で犠牲者の埋葬作業に当たった大島安徳さん(91)=同村宇検=から事件の悲惨さを学び、命と平和の尊さについて理解を深めた。

 

 対馬丸は1944年8月22日、沖縄から学童や一般疎開者を乗せて航行中、鹿児島県悪石島沖で米潜水艦に撃沈された。判明分だけで学童を含む1400人以上が犠牲になった。多くの犠牲者の遺体が流れ着いた同村の船越(ふのし)海岸には昨年3月、慰霊碑が建立された。

 

 授業は学校であり、大島さんは「遺体のむごさと臭気で正気ではいられず、村の男たちは感覚をまひさせるため焼酎をあおってから埋葬した。今思い出しても二度とあんな思いはしたくない」と当時の悲惨な状況を説明した。

 

 犠牲者の冥福を祈り続けていたという大島さんは昨年完成した慰霊碑について「一生の悲願がかなった」と話し、「奄美で当時あの事件に関わった者は私一人だけになった。生き続ける限りは対馬丸のことを語り続けたい」と児童らに思いを伝えた。

 

 5年生の一人は「対馬丸のことは初めて聞いた。とてもつらくて悲しい事件だけど忘れてはいけないこと。大島さんからもっと詳しく話を聞いてみたい」と話していた。