奄美大島要塞司令部跡を発掘調査 瀬戸内町

発掘調査に取り組む古仁屋高校の生徒ら=5日、瀬戸内町

発掘調査に取り組む古仁屋高校の生徒ら=5日、瀬戸内町

 大正~昭和初期、奄美大島に駐屯した陸軍の中心施設だった「奄美大島要塞司令部」跡の発掘調査が5日、瀬戸内町の県立古仁屋高校グラウンドであった。同施設の発掘調査は初めて。この日は当時の建物に関連する可能性のあるコンクリート片などが見つかり、今後詳しく調査を進める予定。調査には同校の生徒7人が参加し、身近な地域の歴史を学んだ。

 

 奄美大島要塞司令部は1923(大正12)年に開庁。陸軍の中心施設として機能し、44(昭和19)年に閉庁した。45年3月の空襲で建物が消失。現在、跡地は古仁屋高校などに利用され、司令部を囲っていた壁の一部が残るのみとなっている。

 

 今回の調査は、同町教育委員会が2014年度から取り組む近代(戦争)遺跡調査の一環。同校と初めて連携し、教委でインターンシップ(就業体験)している2年生の生徒4人と地歴・公民を専門とする米倉秀和教諭が参加したほか、柔道部の1年生3人が作業を手伝った。

 

 郷土史家の故・徳永茂二さんの聞き取りを基に作成した図面によると、発掘現場は当時、油脂倉庫や砲廠(ほうしょう)があった場所。この日は教委埋蔵文化財担当・鼎丈太郎さんの指導の下、半日かけて1㍍×4㍍四方を掘り下げた。6日は埋め戻し作業を行う予定。

 

 参加した福沢あさひさん(16)は「インターンシップを通して町内の戦争遺跡を学び、昔の建築技術の高さに驚いた。多くの人に町の遺跡を知ってほしいと思った」と話した。

 

 同校では昨年度から、有志を募って地域の戦時の歴史を学び、記録に残す取り組みを進めており、米倉教諭は「子どもたちが地元の歴史を学ぶとともに、キャリア教育(経験を生かして現在や将来を見据える教育)に役立てたい」、鼎さんは「地元の子どもたちに知ってもらいたいので、今後も連携していければ」と期待を込めた。