犬田布騒動から先人の偉業学ぶ 伊仙町の中学校

犬田布騒動について講話する徳永さん=14日、犬田布中

犬田布騒動について講話する徳永さん=14日、犬田布中

    薩摩藩の圧政に対して住民が立ち上がり抵抗した犬田布騒動について伝える講話が14日、伊仙町の犬田布中学校(高瀬茂校長、生徒56人)であった。同町在住の郷土史研究家、徳永武彦さん(87)を講師に招き、権力に対して果敢に立ち向かった先人の偉業について学んだ。

 

 犬田布騒動は1864(元治元)年に犬田布村(現伊仙町犬田布)で起きた事件。当時、薩摩藩は砂糖総買入制、抜糖死罪令で島民の砂糖の保有や売買を禁じ、背いた島民には厳しい罰則を科した。騒動では役人に捕らえられた1人の村民を解放するために村民約150人が立ち上がり解放に成功。首謀者は流刑などに処されたものの、その後の圧政緩和につながった出来事として語り継がれている。

 

 157年前の出来事だが、当事者の末娘から直接話を聞いたことがあるという徳永さん。語り部として騒動をひもときながら、それぞれの出来事が現在の集落のどの場所で起きたことなのかを分かりやすく生徒らに伝え、「死罪すら覚悟して立ち上がった先人たちの勇気を語り継いでほしい」とまとめた。

 

 受講した中村健心さん(13)は「当時の犬田布の人たちは今よりずっとつらい時代に権力に立ち向かった。もし自分がその立場だったら、怖くて何も行動できなかったと思う」「何が正義なのかは人に押し付けられるのではなく、自分で考えて決めることが大事だと教わった」と感想を述べた。

 

 同校文化祭では犬田布騒動を題材とした演劇上演が恒例となっている。同校の第1期生でもある徳永さんは「社会の理不尽に対して正義を貫き通すことの難しさと尊さは今も変わらない。生徒たちは先人を誇りに思い、犬田布騒動を語り継いでいってほしい」と思いを込めた。